伝えたことを掲載すると失敗する
採用ページの効果的な運用方法
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求職者が何かしらの方法で求人を認知したら、求人情報以外の情報について調査をします。SNSや元スタッフの情報なども参考にされますが、企業研究などで活用されているのは採用ページです。ここでは、インターンや説明会の申し込みなどを増やすために、人事や採用担当者がサイト制作者と打ち合わせをする際のポイントについて解説していきます。
レッスン内容
リクルートジャーニーの設計
リクルートジャーニーとは、新卒の大学生であれば、いつから就職活動を開始して、どのような情報をチェックし、説明会に参加をしたらどんな行動や心境になり、受験先を確定させる決め手は何か、などをロードマップにしたものです。
リクルートジャーニーの設計内容によってホームページの出番や役割は変わります。業界や職業によっては不要になってきていますが、逆にWebサイトが必要不可欠な業界や職業もあります。
担当者がまずやるべきことは、情報発信の内容や企画を立てるのではなく、その年の学生さんの就活トレンドを把握し、ライバルなどの動向をチェックしながら準備していくことです。
就活トレンドの確認方法
新卒学生の就活トレンドをチェックする際に役立つのが、求人サイトを運営している各社が無料で公開しているアンケートレポートになります。ただし、これらのレポートはどんな人に実施したのかが、ポイントになります。例えば、都心部にある大学生に聞いたのと地方にある大学生とでは数値が異なる可能性があります。大手企業が発信したレポートが、今年度の大学生全体のトレンドを示しているわけではないことを留意しておきましょう。
◼️レポートが確認できるサイト
魅力的な採用サイトの共通点
求職者が最初に目にするトップページは、企業イメージを大きく左右します。インパクトのあるデザインにしたり、心に刺さるキャッチコピーを前面に出したりすることで、「この企業についてもっと知りたい」「働くのが楽しそう」などと、求職者をワクワクさせるのが魅力的な採用サイトにするコツです。
◼️採用ページの事例
求職者は、何かしら知りたい情報があって採用サイトにアクセスしています。そのため、欲しい情報をすぐに見つけられるサイトデザインにするのがポイントです。どこにどんな情報があるのか一目でわかれば、求職者は快適にサイト内を巡回でき、気になった情報を次々とクリックできます。つまり、採用サイトの利便性は、求職者の企業理解度・志望度の向上につながるのです。
◼️採用ページの事例
求職者にとって魅力的な採用サイトとは、知りたい情報が載っていて、実際に働くイメージがわくほど情報量が多いサイトのことです。求職者は、自分に合った企業かどうか確かめるために採用サイトを閲覧します。しかし、求める情報が載っていなければ不安になり、応募をためらってしまうでしょう。そのため、求職者がもっとも知りたがっている「業務内容」「労働環境」「福利厚生」を中心に、積極的に情報開示するのがポイントです。
◼️採用ページの事例
求職者が企業を知るきっかけは?
テクノロジーが進化したことにより、私たちの選択肢は増えましたが、情報量が多くなったために誤った選択をする場合も多くあります。また、ほとんどの人々はネット(スマートフォン)で情報を得ているため、アルゴリズムの仕組みによって、一人ひとり表示される画面が異なります。さらに、SNS等による影響力を持ったインフルエンサーの発言により、就職先の選び方にも変化が発生してしまうほどです。
皆さんの企業は新卒学生の場合、どのように認知されているのか?また認知されるように広報しているのか?大手の求人サイトに登録をして、エントリー者を待つスタイルからガイダンス業者の仲介により、合同企業説明会などにも参加されているはずです。入社した人たちにヒアリングしておきましょう。
どのように指導されているのか?
大学、短大、専門学校など、学内には就職指導やキャリアセンターなどのスタッフが就職支援を行っています。特に専門学校においては、どこの企業に内定したのかは、入学生へのアピールにもなるので、しっかりと先生が指導しています。
また、大学や短大においても、学問や施設以外にも就職実績を強化している場合は、就職部などが力を入れて、学内ガイダンスや就職講座などを開講しています。大学に対して指導者の人数も限られているため、ほとんどの大学生は自分たちで活動しているのが現状です。
そこで採用担当者が把握しておくべきことは、WebやSNSでアドバイスをされている内容です。フォロワーやコメントが多かったり、発信者の肩書きが大手である場合は、不安な学生にとって多大な影響を与えます。つまり、本人の意思と関係なく、WebやSNSの影響により、就職先の決め手として重要視している可能性があります。
これらの現象について、「本当はそうではない」と反論しても、それは逆に学生の考えを否定することになるため、企業側は受け入れるしかありません。その上で、重要視している部分をしっかりとアピールしながら興味を強く持ってもらい、説明会やインターンなどでそれ以外の魅力を伝えていくことが健全な方法だと言えるでしょう。
- ◼️ Web
- ◼️ YouTube
どのように指導されているのか?
採用ページに必ず掲載しなければならないものはありません。あえて掲載せずに説明会やインターンに参加した人にだけ後悔する方法もあります。つまり、ウェブサイトですべて完結してしまったら、会社説明会に参加する動機がなくなります。人は接触回数が多くなるほど親近感を抱く心理(ザイオンス効果/単純接触効果)があるので、企業との接点回数が多くなるほど、エントリー率が高くなります。
つまり、WebやSNSにおいては、学生が知りたい情報を動画や画像で完璧に仕上げずに、少し不明で分かりづらい部分を設けて接点を持つきっかけを作ることが重要です。
採用ページのゴールは何か?
リクルートページの目的は、企業のことを詳しく知ってもらうことが主な目的になりますが、重要なのはリクルートページを見た求職者が応募したいと思わせるページ作りができているかどうかです。
求職者には、新卒採用と中途採用などのターゲット層によって、知りたい情報や応募をするトリガーが異なります。それらの内容が魅力的でなければ、次のアクションにステップアップすることはありません。
求職者が知りたい情報は何か?他社との違いは何か?など、企業について、数字で表示できる定量的視点と数字にはできない定性的視点を掲載する必要があります。掲載した内容が他社に比べて劣っていれば、エントリーはしてくれません。SNSでは伝えられないこと、説明会で足りなかったことなどをフォローするイメージでコンテンツを作成してみましょう。
まとめ
近年、一般生活において、何かを探すためにGoogle検索はしない人が増えましたが、企業研究や業界研究があるので、業界や職業によって学生たちはWebを活用しています。皆さんの業界を目指す学生が何をみているのか、どんなリサーチをしているのかを、今年内定を出した学生にアンケート調査を実施しておきましょう。今年応募者数が増えたとしても、来年度同じ結果になるとは限りません。
コロナが明けて、対面での説明会や面接が戻ってきていますが、オンラインのおかげて遠方の人も受験可能になったことは、企業に欲しい人材確保のチャンスになります。学生自身だけでなく、学校やSNSなど、学生の周辺で発信されている内容も調査して、対策をしていきましょう。