内製化で活躍するデジタル人材
クリエイティブマーケター
事前確認
集客ができていない問題点として、認知不足、魅力不足、運用不足などがあります。目標を達成するためには、問題を解決するのではなく、目標に最も影響力がある課題を設定し、その課題を解決するための施策を実行する必要があります。
市場や競合などの外部環境や人材や技術などの内部環境について調査を行い、目標達成が未達になっている原因や問題点を挙げて整理していきます。
目標と現状のギャップが把握できたら課題設定をしていきます。何を解決すれば目標達成に近づくことができるのかを明確にしていきます。
- 新規顧客の獲得
- リピーターの維持
- 他店との差別化
- 価格競争
- SNSやウェブサイトの効果的な活用
- プロモーション不足
- 口コミやレビューの強化
- 顧客の変更
商品力 | 設定した顧客にとって価値ある商品やサービスを開発するために必要なスキルと知識。 |
発信力 | 商品やサービスの魅力を顧客に認知してもらうために必要なスキルと知識。 |
運営力 | 認知した見込み顧客を新規顧客へ、新規顧客をリピーター客へランクアップさせる仕組み。 |
レッスン
01.ファネルとは
マーケティング戦略におけるファネルの役割は、顧客の購買プロセスを理解し、そのプロセスを最適化することです。ファネルを使用することで、マーケターは顧客の興味を引きつけ、関心を維持し、最終的には購買に至るまでのステップを明確に把握できます。これにより、適切なタイミングで適切なメッセージを送り、顧客のニーズや状況に合わせたアプローチを提供することが可能になります。

ファネル(funnel)はマーケティングや営業の分野でよく使われる概念で、潜在顧客が最終的に購入に至るまでのプロセスを段階的に示したものです。ファネルの形状がじょうご(漏斗)に似ているため、この名前が付けられています。
潜在顧客が商品やサービスの存在を知る段階。広告やコンテンツマーケティング、SNSなどを通じて認知度を高めます。
商品やサービスに対する興味を持ち始める段階。詳細な情報を提供することで興味を引きます。
潜在顧客が商品やサービスを他の選択肢と比較し、検討する段階。口コミやレビュー、詳細な商品説明などが役立ちます。比較されている商品やサービスはどこなのか。何を比較しているのかを把握して、優位性をしっかりとWebやSNSに明記しておく必要があり、この価値観は時代や環境に応じて変化するため、定期的に見直す必要があります。
購入の意欲が高まり、具体的な行動を検討する段階。クーポンや限定オファーなどで購買意欲をさらに高めます。欲しいと思わせるためには、商品やサービスを購入してハッピーになったユーザーの声や表情を伝えることです。また「残りわずか」や「期間限定」などのスノッブ効果を取り入れたり、キャンペーンなどの特典を設定することで、優柔不断の人が決断しやすくする仕掛けなどが必要です。
実際に購入が行われる段階。購入プロセスのスムーズさが重要です。申込から決算までの手続きが簡単であることが重要です。面倒さが購買意欲を失うきっかけになるので、前回入力した必要情報については何度も入力させないシステムにしておきましょう。
購入後も顧客として継続的に関わる段階。アフターサービスやメンバーシッププログラムなどで顧客満足度を維持します。 ビジネスが継続する条件とし「2割のロイヤルカスタマー(常連客)」があります。新規客は常連客の5倍以上の労力(時間と資金)が必要だと言われています。リピーターを増やしたり維持するために仕掛けも必ず用意しておきましょう。
02.ファネルの種類と特徴
ファネルは購買行動モデルとも呼ばれており、広報担当になった方が最初に聞かされる言葉に「アイドマ」があります。これもファネルの一種になり、ファネルは時代やテクノロジーの進化により変化していきました。
新しい技術が登場したことで古い流れが消えたわけではありません。これまで開発されてきたファネルのモデルについて解説しています。興味がある方はご覧ください。

時代や環境の変化により進化した
【ファネルの種類】
消費者が一つの商品やサービスを知ってから実際の購入に至るまでには、一定の心理状態や行動を経ています。その一連の流れが分析され、さまざまなモデルとして提唱されています。
03.カスマージャーニーとの違い
カスタマージャーニーも顧客の購買モデルとして活用されています。ファネルとカスタマージャーニーは分析する目的が異なります。用途に応じて使い分けていきましょう。
- ◼️ファネル
-
ファネルは、顧客の購買プロセスを段階的に捉えるモデルです。意識、興味、検討、行動の段階に分かれており、顧客が商品やサービスを認識し、関心を持ち、最終的に購入に至るまでのステップを表現します。
- ◼️カスマージャーニー
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カスタマージャーニーは、顧客が商品やサービスとの関わりを通じて経験する全体の旅を表現します。購買前から購買後のサポートまでの全体的な体験を捉え、顧客がどのように製品やサービスと関わるかを示します。これはファネルよりも顧客の視点に重点を置いており、一連の接点や体験を通じて顧客の感情や行動を理解しようとします。
カスタマージャーニーはより包括的であり、顧客が商品やサービスとの接点を通じて経験する全体のプロセスを捉えます。一方、ファネルは主に購買プロセスに焦点を当てており、顧客の行動を特定の段階に分けて理解しようとします。

顧客が購入するまでのストーリー
【カスタマージャーニー】
ターゲットの中から特定の顧客を設定し、商品を購入するまでの道のりをマップ化することで、顧客とのタッチポイントを最適化する施策ができ、さらに成果を伸ばすことができます。
04.ファネルの特徴
ファネル分析のメリットは以下の通りです。
顧客の行動を理解する | ファネル分析により、顧客が商品やサービスを発見し、関心を持ち、購入に至るまでの過程を理解できます。これにより、顧客のニーズや行動をより良く把握し、それに基づいたマーケティング戦略を構築できます。 |
効果的なリソース配分 | ファネル分析は、どの段階で顧客が最も離脱しやすいかを特定するのに役立ちます。そのため、リソースを最も必要とする段階に重点を置くことができます。 |
改善の機会の特定 | ファネル分析により、改善の機会が特定されます。たとえば、ある段階で離脱率が高い場合、その段階での顧客体験を改善することで、離脱率を減らすことができます。 |
成果の測定と追跡 | ファネル分析は、マーケティング活動の成果を測定し、追跡するのに役立ちます。各段階での顧客の変化を追跡し、マーケティング戦略の効果を定量化することができます。 |
戦略の改善 | ファネル分析に基づいて、マーケティング戦略を改善できます。顧客の動向やニーズに応じて戦略を調整し、より効果的な結果を得ることができます。 |
05.ファネルの注意点
ファネルにはいくつかのデメリットや注意点があります。
単純化されたモデル | ファネルは顧客の購買プロセスを単純化したモデルであり、実際の状況を完全に反映していない場合があります。顧客の行動は複雑で多様であり、ファネルだけで全体を捉えることは難しい場合があります。 |
非線形な購買プロセス | 一部の顧客はファネルモデルに従って段階的に進まず、非線形な購買プロセスを経験する場合があります。そのため、ファネルだけで顧客の行動を完全に把握することは難しい場合があります。 |
データの欠落 | ファネル分析には、各段階での顧客のデータが必要です。しかし、特定の段階でのデータが欠落している場合や、不正確な場合があるため、分析の信頼性に影響を与える可能性があります。 |
顧客の個別性 | ファネルは顧客を一般化して捉えるため、個々の顧客のニーズや行動を完全に理解することができません。顧客の個別性や多様性を考慮する必要があります。 |
長期的な視点の欠如 | ファネルは通常、短期的な視点で購買プロセスを捉えるため、長期的な関係や顧客のライフサイクルを考慮しない場合があります。長期的な成功を見据えるためには、より広範な分析が必要です。 |
06.ファネルの事例
新規オープンするアイサロンのオーナーがファネルを活用する具体的な事例を以下に示します。各ステージでの具体的なアクションを通じて、顧客獲得からリテンションまでのプロセスを効果的に管理できます。
目的 | 潜在顧客にサロンの存在を知ってもらう |
ソーシャルメディア広告 | InstagramやFacebookで広告を出し、ターゲット顧客にサロンのオープンを告知。 |
SEO対策 | 「まつ毛エクステンション」「アイラッシュサロン 東京」などのキーワードでGoogle検索の上位に表示されるよう、ブログ記事やウェブサイトのコンテンツを最適化。 |
インフルエンサーコラボレーション | 美容系インフルエンサーを招待し、サロンの施術を体験してもらい、その体験をSNSでシェアしてもらう。 |
目的 | サロンに興味を持たせる |
ウェブサイトとランディングページ | 詳細なサービス説明、施術例の写真、価格表、初回特典などを掲載した魅力的なランディングページを作成。 |
無料カウンセリングのオファー | 初回無料カウンセリングを提供し、興味を持った潜在顧客に来店を促す。 |
ブログと動画コンテンツ | まつ毛ケアの方法や施術のビフォーアフター動画など、役立つ情報を提供し、顧客の関心を引く。 |
目的 | サロンを検討してもらう |
顧客レビューとビフォーアフター写真 | サロンのウェブサイトやSNSに顧客の声やビフォーアフターの写真を掲載し、信頼性をアピール。 |
特典付きクーポンの提供 | 初回限定の割引クーポンや特典を提供し、来店を促す。 |
ニュースレター | 定期的にニュースレターを送信し、最新のプロモーションや特典情報を知らせる。 |
目的 | 顧客にサービスを購入してもらう |
オンライン予約システムの導入 | 顧客が簡単に予約できるオンラインシステムを提供し、利便性を高める。 |
限定オファーとキャンペーン | 「今月限定で10%オフ」などのタイムセールやキャンペーンを実施し、即時の購買を促す。 |
リマインダーとフォローアップ | 予約日の前日にリマインダーを送り、来店を促す。 |
目的 | 顧客にリピートしてもらう |
ロイヤルティプログラム | ポイントを貯めて割引や特典を受けられるロイヤルティプログラムを導入し、リピートを促す。 |
フォローアップメール | 施術後にフォローアップメールを送り、ケアのアドバイスや次回予約の提案を行う。 |
特別イベントの招待 | 常連客向けに特別イベントや新商品発表会への招待を行い、顧客との関係を強化する。 |
目的 | ファネルの効果を測定し、改善する |
定期的なアンケート | 顧客の満足度を測定するためのアンケートを定期的に実施し、フィードバックを収集。 |
データ分析 | ファネルの各ステージでのKPI(例:ウェブサイト訪問者数、予約数、リピート率)をトラッキングし、効果を分析。 |
継続的な改善 | フィードバックに基づいて、サービスやプロモーション、顧客コミュニケーションを改善。 |
このように、ファネルを効果的に活用することで、新規オープンするアイサロンは認知からリテンションまでのプロセスを体系的に管理し、顧客獲得とリピート利用を促進することができます。各ステージでの具体的なアクションを実行することで、顧客のニーズに応え、長期的な成功を目指せます。
07.ファネルの具体的な作り方
アイサロンのオーナーが新しいファネル(顧客獲得およびコンバージョンの流れ)を作る際の具体的な手順は以下の通りです。
目的 | ファネルの目的を明確にし、達成したい目標を設定する。 |
実行 | 新規顧客の獲得、既存顧客のリピート利用促進など、ファネルの目的を定める。 具体的な目標(例:月に50人の新規顧客を獲得、リピート率を20%向上)を設定。 |
目的 | ターゲット顧客の特徴を明確にする。 |
実行 | 年齢、性別、職業、ライフスタイル、趣味、ニーズなどを含む詳細な顧客ペルソナを作成。 ペルソナに基づいて、顧客が求める情報やサービスを理解する。 |
目的 | 顧客がファネルを通じて進む各ステージを定義する。 |
認知 (Awareness) | 潜在顧客がサロンの存在を知る段階。 |
興味 (Interest) | 潜在顧客がサービスに興味を持つ段階。 |
評価 (Consideration) | 顧客がサービスを検討する段階。 |
購買 (Purchase) | 顧客がサービスを利用する段階。 |
リテンション (Retention) | 顧客がリピートする段階。 |
目的 | 各ステージで顧客を引き付け、進めるための戦略とコンテンツを作成する。 |
認知 | ソーシャルメディア広告、SEO対策、ブログ記事、インフルエンサーコラボレーションなどを活用。 広告や投稿でサロンの特徴やサービスを紹介。 |
興味 | メールニュースレターの登録フォーム、無料カウンセリング、ウェビナーなどを提供。 ブログや動画コンテンツで、まつ毛ケアのヒントやサロンの施術風景を紹介。 |
評価 | 顧客の声やレビュー、ビフォーアフターの写真を共有。 特典付きクーポンや初回割引オファーを提供。 |
購買 | 簡単なオンライン予約システムの導入。 クーポンコードや限定オファーの提供。 |
リテンション | 定期的なフォローアップメール、リマインダー、特別オファーを送信。 ロイヤルティプログラムや紹介プログラムの実施。 |
目的 | ファネルの効果を測定し、改善点を見つける。 |
実行 | 各ステージのKPI(例:ウェブサイトの訪問者数、メールの開封率、予約数、リピート率)を設定。 Google AnalyticsやCRMシステムを使用して、ファネルのパフォーマンスをトラッキング。 定期的にデータを分析し、どのステージで顧客が離脱しているかを確認。 |
目的 | データ分析に基づき、ファネルを改善する。 |
実行 | 顧客のフィードバックを収集し、改善点を特定。 各ステージのコンテンツや戦略を調整し、より効果的なものに変更。 A/Bテストを実施し、異なる戦略やコンテンツの効果を比較。 |
目的 | 市場や顧客の変化に対応し、ファネルを継続的に改善する。 |
実行 | 定期的に市場調査を行い、顧客ニーズやトレンドの変化を把握。 ファネルのパフォーマンスを定期的にレビューし、新しい戦略やツールを導入。 新しいキャンペーンやプロモーションを試し、顧客の反応を見て最適化。 |
お知らせ
集客をする際に、大手ポータルサイトにサロンを掲載して予約を取るのではなく、顧客を設定して、サービスを強化し、自分たちで認知を広げる方法について解説しました。サロンによって問題や課題は異なります。働くスタッフの知識やスキルなども違うため、一般的なセミナー研修では自社に当てはまらないことが多くあります。
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