これからのビジネスに必須な人材
クリエティブマーケター
解 説
USPとは
USPとは、Unique Selling Propositionの頭文字になり、アメリカのコピーライターであるロッサー・リーブスによって提唱されました。USPは「自社が持つ独自の強み」と表現されることが多くありますが、単なる強みの提示ではなく「顧客に対して自社だけが約束できる利益」を意味します。大量にある情報の中から1つ商品やサービスを選んでもらうためには、USPを明確にして顧客への利益が最大であることをアピールする必要があります。顧客の価値と自社の強みを整理して、顧客が喜ぶ商品開発のコンセプトを決める重要なプロセスになります。
Unique ユニーク | 重複しない、唯一の、固有の、独自の、と表現できる部分 |
Selling セリング | 売り込む手段や提供方法 |
Proposition プロポジション | 提供できる固有の特徴と顧客の価値が重なった部分 |
ドミノピザの例
無名だったドミノピザが日本に上陸した際のUPSが、「熱々でジューシーな美味しいピザをお宅まで30分以内にお届けします。間に合わなければ、代金は頂きません」というものでした。
Unique | 間に合わなければ代金はいただきません。 |
Selling | お宅まで30分以内にお届け |
Proposition | 熱々でジューシーな美味しいビザ |
ドミノピザ以外にも他の宅配ピザは多く存在していましたが、UPSを活用することで、新規客にインパクトを与えることができ、瞬く間に店舗を拡大していきました。ターゲットに合わせたニーズに対して独自のセールスポイントを提示できれば、差別化を図ることが可能です。つまり、中身を変えなくても、言い方や伝え方を変えることで、訴求効果を高めることが可能になります。また、独自性はクオリティだけではありません。価格・場所・速さ・手軽さなども差別化を図ることができます。
USPのポイント
どこと比較して優位性を強調するのかがポイントの1つ目です。例えば、ケーキ屋さんが、大手企業に対抗して安いお菓子を製造しても、価格や量でかなうことができません。大手企業は大量生産できる機械を開発しており、コストを抑える努力もされています。しかし、弱点がないわけではありません。大量生産をするためには、下記の条件をクリアする必要があります。
- 工程が少ないこと
- 手に入れやすい素材
- 時間が短いこと
- 機械化しやすいこと
- 仕組み化しやすいこと
これらの条件が合わないものは、コストがかかるためやりたがりません。つまり、大手企業の商品やサービスは誰にでも当てはまる一方で、個別対応が苦手になるわけです。中小企業は個別対応を軸にした商品やサービスを企画開発することが必要です。そのために最も重要なのは、消費者の価値(悩みや期待)をどれだけキャッチして、顧客設定をして、その顧客が喜ぶ商品やサービスを開発していくのかということです。
準 備
USPの作成方法
USPを作成するためには、自分たちの強みや特徴を把握する必要がありますが、自分たちのことを自分たちで分析する「自己分析」は、最も困難な手法になります。なぜならば、一般人にとって非日常的な特徴であっても、皆さんにとっては日常的な事柄だからであり、特徴だと判断できないからです。そこで、おすすめなのが他者評価分析のファイブコンテンツ分析法です。すでに顧客は設定済みの状態からになります。
ファイブコンテンツとは
ファイブコンテンツとは、Web上で発信されている5種類の情報になります。それぞれの特性を理解して、必要な情報収集に役立てください。

ライバルの企画は模範の先生
オウンドメディアとは「農家」の地元関係者が制作しているウェブサイトやSNSになります。農家の関係者だから発信できる内容や商品の見せ方などのアイデアを確認していきます。

ユーザー目線は新企画の宝庫
ユーザーコンテンツとは、SNSなどによって「仏閣地」での散策や宿、グルメなどを投稿しているコンテンツになります。投稿者の属性が判明していれば、顧客が求めている価値を発見したり、自分たちが動画制作をして発信する際の見せ方や表現方法などの参考にすることができます。

コメントから見える本音や感想
ソーシャルリスニング分析とは、Instagram、 YoutubeなどのといったSNSに投稿されたユーザーの声、ブログや口コミサイトなどに寄せられたユーザーの意見などを収集・分析して、マーケティングに活用する方法です。満足した点や不満足だった部分をリアルに確認することができます。

人気の要因からヒントを得る
個人から企業まで、様々なテーマを設定して独自のランキングを発表しています。人気があるのには必ず理由があり、評価しているポイントも異なります。マイナス面と思われていたことが、人によってはプラスになどの発見にもつながります。

他を知る玄人の視点
観光クリエイターやグルメクリエイターは、特定の分野に特化したコンテンツ作りをするために、日頃からトレンド情報のリサーチやトピックを探しています。クリエイターのコンテンツを分析することで、幅広い情報と知識があるからこそ気づけている特徴や凄さを訴求している可能性が高いです。
UGCマイニングの方法
他者評価である5つのコンテンツを収集していきます。自分たちが扱っている農作物を検索して、専用のサイトやSNSなどのアカウントなどを保存したりフォローしていきます。その中からテーマを設定して、さらに検索をかけていきます。注意点は、発信された時期になります。3年以上前のコンテンツであれば古いものになりますので、可能な限り1年以内のものを収集してください。SNS等のコンテンツにおいては、「いいね」や「再生回数」が多いものを選んでください。
マイニングとは「採掘」のことです。テキストマイニングとは、コメントやテロップなどで発信されたキーワードなどを収集して、顧客の願望や悩みなどをチェックする方法です。収集したコンテンツの中で、気になるキーワードをピックアップしてリストにしてください。その中からさらに検索するワードに優先順位をつけてください。
再生回数やコメントが多いコンテンツは、それだけ興味や関心度が高いことを意味します。その中で収集したキーワードの中で、例えば食材のサイズ、価格、調理方法など、関連付けられるサブワードを加えて、WebやSNSで再検索をして、コンセプトにつながるテーマを複数リストアップします。
リストアップしたら、そのテーマに対して競合する農家やお店を検索して、ライバルとなり得る競合を決めてください。ライバル数は10個以上必要です。
ライバルが決まったら、縦軸と横軸の線を引いて、それぞれ区分けできるような軸の項目を決めてください。例えば、価格と縦軸にした場合は、上が高く下が低い、横軸を農作物のサイズにした場合は、左側が小さく右側が大きいなどになります。項目は分析した目的に応じて変更してください。
作成したポジショニングマップに、調査したライバル店を設置していきます。注意点は感覚ではなくある程度の根拠をもとに設置してください。根拠とは売上高や人気ランキングなどです。調べることができない場合は、SNSなどの#(ハッシュタグ)で検索して表示される件数を参考にしてください。
調査したライバルが多いほど隙間がない状態になるはずです。その中でも空いたスペースがないか確認してみましょう。明らかにスペースがないのであれば、テーマや項目を変えて、同じように設置をしてください。空いたスペースがチャンスの窓になります。
空いたスペースがあるからといって、ライバルが見落としているとは限りません。もしかしたら、顧客がほとんどいないので、どこも着手していない可能性があります。また、着手するためにはかなりの労力がかかるため、断念している可能性があるので、顧客がいるのかどうかをSNSやWebなどを活用してリサーチしてください。また、顧客がいるのであれば、アンケートやインタビューをして反応を確認してください。
リサーチの結果、顧客は少ないため、大手は採算が合わず断念したことがわかり、他の農家については特に着手していない理由は見つからなかった場合は、自分たちが商品化できるかどうかの判断をする必要があります。安定した供給が可能かどうか、配達手段は確保できるのか、自分たちでマーケティングできるのか、などです。
自己評価
たくさんある農産物の中から自分たちのものを選んだもらうためには、「明確な魅力」が必要になります。生産者側の視点から見た事実だけを調査してください。優位になるかどうかは顧客の価値によって変わるので、自分たちの価値基準で判断してしまうと、新しい視点やチャンスを逃してしまうので、注意しましょう。
- ◼️ 現在生産している農産物は何ですか?
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野菜、果物、山菜、椎茸、大根など
- ◼️ なぜ、その農産物にしたのですか?
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気候に適した、汎用性がある、先祖代々など
- ◼️ 他の農家さんとの違いは何ですか?
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甘み、サイズ、色、栄養、歯応え、濃厚、形など
- ◼️ 生産工程のこだわりは何ですか?
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水、土、気候、温度、肥料、無農薬など
- ◼️ どんな人に食べてもらいたいですか?
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ダイエット中の人、こだわりの居酒屋など
- ◼️ 農産物を使用したおすすめの家庭料理
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煮物、サラダ、アヒージョ、漬物など
まとめ
今回は皆さん自身の特徴や強みを自分たちで調査する方法について解説してきました。最初のうちは調査するコンテンツ集めだけで時間がかかると思いますが、一度調べてフォローしたりブックマークしておくことで、探す時間は少しずつ減っていきます。
調査する中で、外部の業者や調査会社では発見することができない、ライバルの動きや顧客の動向、トレンドやアイデアの卵を発見することができますので、スタートできるところから始めていきましょう。