これからのビジネスに必須な人材
クリエイティブマーケター
レッスン内容
3C分析とは
3C分析の目的は、自社が勝つための成功要因を導き出していくフレームワークになります。事業計画では、これまでの経験や感覚値ではなく、エビデンス(証拠)となる情報を収集し、得られたデータを元に話し合うことで、担当者同士が共通した見解でマーケティング戦略をデザインすることができます。
3C分析とは、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)をそれぞれ分析して、マーケティングなどに生かすフレームワークになります。マッキンゼーの経営コンサルタントだった大前研一氏が提唱した分析方法で、世界でも広く利用されています。3Cの特徴は、自分たちで修正を加えることができる内部要因(自社)と、自分たちでは支配できない外部要因(市場・顧客、競合)の両者を分析する重要性を説いたことです。3C分析により客観的な分析が可能となっています。
- |市場・顧客(Customer)
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ビジネスを成功させるには、買い手となる顧客や市場の理解が欠かせません。昨今ではテクノロジーの進化により新商品や新サービスがものすごいスピードで展開。そのため、短期間のうちに顧客の興味関心が他に移ることも頻繁に起こります。
- |競合(Competitor)
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インターネットで商品やサービスの比較が容易にできる昨今、自社と同様の製品やサービスを提供している競合の分析が欠かせません。自社よりも高品質でかつ低価格の商品がすでに競合から販売されている場合、どれだけ頑張っても売上を伸ばすことはできないでしょう。また、商品の質や値段に加え、昨今ではブランド価値や社会貢献、環境問題への配慮なども重視されるようになっています。
- |自社(Company)
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気をつけるポイントとして、自社を自分たちだけで分析しようとすると、どうしても主観が入ってしまい、正しく分析できないことがあるでしょう。自社の掌握は最も難しいとも言われており、客観的な分析を行うために外部人材に協力を仰ぐこともあります。
3C分析のやり方
3C分析では、顧客、競合、自社に関するできる限りの情報を集め、適切な方法で分析する必要があります。それぞれの分析方法について紹介します。
- |顧客(Customer)分析方法
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市場・顧客分析では、PEST分析が頻繁に用いられます。PEST分析とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字を取ったもので、外部要因を客観的に把握する方法として世界で広く活用されています。
■PEST分析
Politics(政治) ・法律、法改正
・規制、緩和
・減税、増税
・政治、政権
・裁判制度Economy(社会) ・景気動向
・経済成長率
・物価、消費
・為替、株価
・金利、原油Society(社会) ・人口動向
・流行、世論
・世帯
・宗教、教育
・少子化
・高齢化Technology(技術) ・インフラ
・IT活用
・DX
・イノベーション
・技術開発特に、政府がどのような方針をとっているのか、税金に関する大きな変化はいつ起こるのかなどは事業の成否に大きく影響するため、しっかりと把握し自社のビジネスに当てはめる必要があります。
- |競合(Competitor)の分析方法
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競合分析では、競合のビジネスモデルや商品、成果などを検討します。昨今ではネットで同類のビジネスを行っている企業を簡単に検索することが可能です。
■調査項目
項目 内容 競合店(会社) ・ライバル
・新規参入
・最大手
・海外企業新商品 ・特徴
・価格顧客層 ・属性(性別、年齢)
・ターゲット口コミ ・SNS
・UGC競合をリストアップするとともに、事業や商品の詳細や売れ行き、販売経路、顧客層、口コミなどを調査・分析するものです。新しい商品を積極的に発売している企業も多いため、競合調査は1度ではなく、定期的に実施してください。また、企業の新商品情報はSNS上で発表されることも増えてきたので、競合のSNSアカウントを随時チェックし、新しい情報はないか、新商品の売れ行きや評価はどうかなどを見ていくとよいでしょう。
- |自社(Company)の分析方法
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自社を客観的に分析するために用いられるのがVRIO分析です。VRIO分析を用いると、経営資源という観点から自社の強みと弱みが浮き彫りにできます。自分の会社のどのようなところに競争優位性があるのかが明らかになるとともに、どのような弱みを克服し、強化すべきかについても把握できることが最大のメリットになります。4つの各視点から「YES」か「NO」で評価します。
■VRIO分析
Value
(経済価値)企業の経済的な価値といっても、単純に金銭的なリソースのことではありません。マンパワーや建築物、機器類などのリソースもすべて含めて考えます。こうした社内リソースをすべて含めたうえでピンチを最小限に食い止められるか、チャンスを最大限に生かせるか、という観点で考えましょう。 Rarity
(希少性)「業界においてそのビジネスは希少性が高いか?」業界において自社やプロジェクトのビジネスは希少性が高いのかについて考えましょう。「競合も実行しているのか」という観点で考えることが重要です。 Inimitability
(模倣困難性)「業界においてそのビジネスを模倣する場合はコストやリソースがどれだけかかるのか?」業界において自社やプロジェクトのビジネスは模倣しやすいのか、簡単には真似できないのかについて考えます。 Organization
(組織)「現状の経営資源をフルに生かすために組織の構築やフローは適切に設定されているか」経済的な価値、希少性、模倣可能性の3点を守るために組織的な運営がきちんと回っているかについて考えます。 VRIO分析は、常に「①V:経済的価値→②R:希少性→③I:模倣困難性→④O:組織」の順に評価を行っていきます。4つの項目がすべてイエスであれば、「持続的な競争優位(VRIO)」とみなすことができます。つまり、稀少で模倣されにくい高価値の経営資産を有しており、そのフルパワーを引き出す組織が構築されているとの評価になります。
VRIO分析においては、企業が有する強みのレベルを以下の3段階に分けて評価します。
レベル1
普通の強み他社も持ち合わせているため、それだけで差別化や優位性を持つことは困難です。 レベル2
独自の強み競合に対して一時的に優位性を保てますが、すぐにキャッチアップされて、まで一時的なものにすぎない。つまり、他社にキャッチアップされる可能性があります。 レベル3
持続的な独自の強み特許やその地域でなければ成立しないことなど、競合に対して優位性を発揮し続けることが可能であり、最強の強みを有した会社であると判断されます。
まとめ
3C分析は様々な分析を行った精度の高い結果をまとめて、最も効果が見込まれる部分を特定することができます。そのため、他の分析内容が乏しかったりすると、勝率に影響を与えます。また、強みや弱みなどは、顧客によって訴求が異なります。以前マクドナルドが市場調査を行った結果、体に良い食事に目をむけ商品化したところ、ほとんど売れませんでした。理由はマクドナルドに求めていたのは、「健康」ではなかったからです。
このように、市場のニーズだけに偏るのではなく、自社のブランディングや期待されていること、ポリシーやミッション等についても整合性があるかどうかを確認することで、消費者からの信頼を得ていきましょう。