現在、無料で情報公開中
すべてのコンテンツが見放題
🟦 こんな方へオススメ
- 購買の歴史を知りたい
- 過去の購買に関する流れを学びたい
- Webになって変化した内容
- SNSで成果を出している方法
🟦 習得内容
- マスメディア時代の購買モデル
- Web時代の購買モデル
- SNS時代の購買モデル
- これからについて
消費者が一つの商品やサービスを知ってから実際の購入に至るまでには、一定の心理状態や行動を経ています。その一連の流れが分析され、さまざまなモデルとして提唱されています。これが一般に「購買行動モデル」と呼ばれ、企業のマーケティング活動などで利用されています。テレビ、インターネット、SNSと情報のチャンネルが多様化しているので、様々なデザインが作られました。ここでは、マーケティングのプロが成果を生み出す際に気づいた顧客の行動パターンについて学んでいきます。
レッスン内容
購買行動モデルとは
企業のマーケティング活動において、消費者の心理や行動を分析することは重要なウエイトを占めます。この行動過程をいくつかのフローに分けた「購買行動モデル」と呼ばれるフレームワークが複数存在しており、マーケティングに従事する人々はそれらを元に自社のマーケティング活動に役立ています。現在では、大きく「マスメディア時代」「web時代」「SNS時代」と3つの時代に分類されることが一般的です。
顧客接点(タッチポイント)の種類
Web | チラシ |
ECサイト | テレビ |
アプリ | CM |
交通広告 | YouTube |
雑誌 | TikTok |
新聞 | |
メール | |
商品パッケージ | |
ポスター | ラジオ |
書籍 | 実店舗 |
マスメディア時代の購買行動モデル
マスメディアによって、企業から消費者へ一方的かつ画一的に情報提供がなされていたことが背景にあります。代表的なモデルは1900年代初頭に提唱されており、消費者の購買行動を把握する際の基本として今もなお知られています。
AIDMA(アイドマ)
AIDMAとは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。日本語圏において「AIDMAの法則」として、2004年に広告代理店の電通等により提唱されたAISASとの比較等で日本では知られる。
概要 | 商品やサービスを知らない状態から、顧客が商品やサービスについて知る段階のことです。テレビ、CM、雑誌、新聞、ラジオなどマスメディアが主流です。 |
事例 | サラサラヘアの女性を起用して、シャンプーのテレビCMを見せる |
概要 | Interestは、購入することで、悩みを解消したり、便利で快適な環境を作り出せることに期待できるため、商品やサービスに対して興味を持つ段階です。 |
事例 | 購入することで得られる綺麗な艶髪、サラサラヘアーを強調 |
概要 | 商品やサービスの特徴を詳しく知ることで、使用すれば自分の悩みや希望が叶えられると判断します。その結果、自分にとって必要なものであり、購入意欲が高まる段階です。 |
事例 | ドラッグストアなどでサンプルを配布して、認知度を上げる |
概要 | Memoryは、顧客が実際に購入しようと思うまでのリマインド(思い出せる)の段階です。手に入れた人の声や快適な姿を描写することで、入手したい欲求を増幅させていきます。 |
事例 | 店頭に陳列したりポスターを張り出して、露出度をアップする |
概要 | 商品やサービスを購入する最終段階になります。もっと良い商品がないか、購入方法が不明、サポートがない、などの理由で購入を見送るケースもあります。購入までの流れや購入後のサポート案内も必要になります。 |
事例 | サンプル品も使ってお得なので購入 |
AIDCAS(アイドカス)
AIDCASの特徴は、消費者の購買行動の流れに沿って構成されている点です。消費者の購買行動の流れに沿って構成されるため、セールスレターとしての効果があります。
概要 | 強烈に印象に残るキャッチコピーやアイキャッチ画像で注目を集めるのが、Attenionの役割です。 |
事例 | ライザップは、CMの音楽や芸能人がターンテーブルに乗ってビフォーアフターが切り替わる映像とともに、「結果にコミットする」という強烈なメッセージで強い印象付けに成功しています。「本気で痩せられそう!」というイメージを与え、興味を持った方がセールスレターに訪れるような仕組みになっています。つまり、CMがAIDCASの法則のAttention(注意・注目)の役割を担っているということです。 |
概要 | Attentionで商品に注目させたら、さらなる興味付けをします。そのため、商品の魅力やメリット、他社との違いなどを伝えることがこのステップです。重要なのは、読者が自分事にとらえることであり、自分にとって価値のある情報と消費者が認識することが重要です。 |
事例 | CMで興味付けをしてセールスレターに来た方に、Interest(興味関心)からみせています。 このLPでは、代謝が落ちる中高年をモデルとして使うことで、中高年女性が「私でも痩せられる!」と自分事にとらえることができます。 |
概要 | 商品に興味を持ってもらった後は、欲求を促すステップです。魅力的な商品でも「買いたい!」と思ってもらわなければ、商品の購入にはつながりません。商品を購入した後の未来をできるだけ具体的に想像できるようにして、購買意欲を高めていきます。 |
事例 | 具体的な事例を用いて、商品の購買意欲を高めていきます。具体的にどのくらい効果が出ているのかを写真付きで見せることで、信ぴょう性も同時に高めるようにしています。 |
概要 | 興味や欲求が強くなったところで、実例や根拠などのエビデンス(証拠)を用いて、Desire(欲求)で見せた未来の信ぴょう性を高めます。お客様の声や実績、著名人からの意見など、信ぴょう性が高まるようなものをできるだけ沢山用意すると信ぴょう性が高まります。 |
事例 | 体験者の実績をたくさん掲載して、信ぴょう性を高めています。男性・女性ともに年齢も20代から60代までの体験者の実績を公開しており、メインターゲット以外の読者にも刺さるようにしています。また、事例が多いので「私にもできるかも!」と思えるようにしています。 |
概要 | 商品が欲しかったとしても「今すぐ買う」ように、背中を押します。読者がページを閉じてしまうか、商品の購入に繋がるかはAction(行動)にかかっているといえるでしょう。そのため商品を購入したいと思うような、魅力的なオファーをします。例えば「今だけ半額」「初月無料」などのサービスや、高額商品であれば分割可能にしておくなどです。 |
事例 | ライザップでは、行動しやすいように「無料カウンセリング」を行動のゴールとしています。高額の商品のため、オンライン上で契約のクロージングはせず、店舗でクロージングをする導線です。行動しやすいようにハードルを低くしているのが特徴です。また、分割に対応していることも大きく表示しており、読者がより購入しやすいように見せています。 |
概要 | 最終的に、Satisfaction(満足)というプロセスで締めくくるのがAIDCASの大きな特徴です。単に商品やサービスを販売して終わるのではなく、顧客満足度を高めることで、リピートや拡販に繋げていくのが狙いです。クーポンを付与したり、保証・カスタマーサポートなどのアフターサービスを充実させることで、顧客満足度を高める方法などが一般的です。 |
事例 | 30日間の全額返金保証制度をつけており、顧客満足度を高めています。高額商品のため、入会を躊躇することもありますが、30日間の保証があることで決断を後押しします。また、セールスレターにはありませんが、ライザップ公式のトレーニンググッズも販売しているため、入会後のクロスセルも行える構成にしています。 |
Web時代の購買行動モデル
マスメディア時代のモデルが一方的な情報提供を基本としたものだったのに対して、Web時代のモデルではインターネットの特性を反映して、消費者自らが情報取得を行うことを基本に考えられています。
AISAS(アイサス)
AIDMAの考えをインターネット版に照らし合わせて提唱され、2005年6月に電通が商標登録したモデルになります。
概要 | テレビ CM以外にもGoolge やYahoo!などの検索から商品を発見したり、ブログやInstagramなどのSNSによって、商品やサービスのことを知る段階です。 |
事例 | CMで90キロ近い男性が3ヶ月で60キロまで引き締まった体で登場 |
概要 | 自分も同じような環境で悩んでいることをネットで紹介されていたので、商品を購入すれば、問題が解決するのかしれないと思う段階です。 |
事例 | 3ヶ月の短期間で筋肉質な痩せ方ができるのはすごい! |
概要 | 専門家やテレビで紹介されるものは信頼性が高く、購入されやすくなっていましたが、ネットが普及したことで、事実かどうか、他にもっと良い商品やサービスがないのかを検索するようになっています。 |
事例 | 本当に痩せたのか、なぜ短期間で痩せたのか、会社は大丈夫か? |
概要 | ホームページだけでなく、すでに購入している人のSNS情報もチェックした結果、納得できる内容だったので購入を決意。 |
事例 | 30日間の返金保証もあったので、少し高額だったが契約した |
概要 | ブログが普及したことで、自分の意見や変化を発信する文化ができるため、良い部分も悪い部分も発信してお互いに共有するようになっていきました。 |
事例 | 痩せた姿をブログに投稿してみんなから称賛された |
AISCES(アイシーズ)
AISCESはAISASに比較や検討のプロセスが追加されたモデルになります。楽天やアマゾンをはじめ、ネット上に情報が多くなったので、比較・検討することが当たり前になりました。
テレビやチラシではなく、インターネット上で知ることになります。特にGoogle検索は広告に関する技術がアップしているため、何かを検索していると関連した商品や情報が自動で出現するシステムになっています。
紹介されている商品やサービスが、顧客にとって必要だと感じている者であれば興味をもち、ますます知りたいと思う欲求になります。
発見した商品だけではなく、類似した商品も検索する段階です。店舗ではお店を回ったりするために時間とお金がかかりますが、ネットだと検索したらすぐに見つけることができます。
楽天、アマゾン、価格ドットコムなどのサイトを活用して、商品やサービスを比較する段階になります。YouTubeの登場によって、画像や文章だけでなく映像が加わり、リアルな比較ができるようになりました。
販売店のサイトは良いことしか公開していませんが、実際に購入した人のブログやコメント、YouTubeによって使用した感想などを公開していることで、マイナス面も知ることができるようになりました。
良い部分も悪い部分も理解した上で購入する段階です。実際に購入した人が動画でアップしていることで、イメージがしやすくなっており、中にはガジェット系ユーチューバーとして、様々な商品を紹介している動画もあります。
購入した商品がどうだったのかを投稿するSNSなどもありYouTubeにアップすることで、共有することがあります。TwitterなどのSNSは拡散力のあるため、著名人が使用した新商品が話題になると、すぐに売り切れる現象が発生します。
DECAX(デキャックス)
企業からの発信を受け取るのみではなく、消費者自らがWebメディアやニュースサイトなどから商品を「Discovery(発見)」することから始まるプロセスであることが特徴的です。
Webメディアやサイトで商品やサービスを発見する。
情報提供によって企業と消費者の関係構築を行う。
得られた情報の信頼性を確認する。
商品やサービスを購入する。
商品やサービスで体験した内容をインターネットで共有する。
SNS時代の購買行動モデル
TwitterやInstagramをはじめとするソーシャルメディアが普及したことによる、消費者同士が相互に情報発信を行う文化を背景にした購買行動モデルです。2010年以降に提唱されたものが多く、現在の消費者心理を反映しているといえます。消費者が自ら情報収集を行うのはもちろんのこと、消費者間での共感や拡散によって情報と出合う、企業の信頼性を高めるなどの文化が形成されるようになりました。
ULSSAS(ウラサス)
ULSSASとは、ホットリンクが提唱するSNS時代の新・購買行動モデルです。SNSが普及したことで、人々の購買行動にも変化が見られるようになりました。その結果、様々なプラットフォームやチャネルでUGCが発生するようになりました。
商品やサービスを利用したユーザーがSNSなどに投稿した記事や動画
SNSなどで投稿されたUGCを見た別のユーザーがUGC対して“いいね“などをする
“いいね“が多くついたUGCを見たユーザーは紹介されていた商品やサービスについて情報収集
商品が購入できる店舗や価格についてWebなどで詳しく調べます
購入方法を確認したら、店舗やWebで商品を購入します
購入した別のユーザーが商品の写真や動画を投稿してその商品がさらに拡散されていきます
SIPS(シップス)
SIPSは、SNSの影響により購買決定するプロセスになります。従来の広告などによる手法とは全く異なる流れになります。
SNSは気に入った投稿者をフォローすることによって、自分のタイムラインに投稿が表示されます。お気に入りなので、投稿者がおススメする商品やサービスは共感されやすくなります。
共感したからといって、すぐに購入はしませんが、レビューや口コミを調べたり、友人や知人、専門家などのホームページやYouTubeなどで確認をしていく段階です。確認した内容と共感した想いが一致した場合は、勾配への確率が高くなります。
自分は購入しなくても、投稿者に対して“いいね“やコメントを残したり、自分のSNSで紹介するなどして、お気に入りの投稿者を応援したり、伝達するお手伝いとして参加します。
確認したり参加した活動や情報を共有することで、友人や知人など別の消費者によって情報が拡散されていきます。拡散された情報が次の共感を生み出すことで、購買される可能性が高くなります。
VISAS(ヴィサス)
SNSによる発信を通して生まれる購買活動をまとめた理論です。消費者の購買欲求が生まれていない商品やサービスであっても、SNSでの口コミを偶発的に見かけることで共感や行動につながる点が大きな特徴。VISAS はSNSマーケティングを考える上での基本理論としても知られるようになりました。
SNSでの口コミによって商品やサービスを知る。
発信者や口コミによって消費者が影響を受ける。
発信者や商品の情報について共感する。
商品やサービスを購入した結果や感想について共有する。
まとめ
スマートフォンを一人一台所有する時代になったことで、ダイレクトにアプローチすることが可能になりましたが、メディアが増えたことで、人々の情報収集源も多様化してきました。そのため、企業側は限られた予算と期間の中で、どのメディアが最も効果的に認知拡大させることができるのかを判断する必要が出てきました。
業種やサービス内容、ターゲット層によっては、SNSではなくチラシや折り込みの方が高い効果を見込むことができます。トレンドや人気のある方法を選択するのではなく、自分たちに最適な選択ができるように一緒に頑張っていきましょう。