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🟦こんな方へオススメ
- 来店数は多いが購入者が少ない
- 目玉商品以外の商品を購入させたい
- 費用をかけずに購入率を上げたい
🟦習得内容
- 衝動買いをさせる3つの方法
- 衝動買いしてしまう心理
- レイアウトとの関連性
皆さんの中には「予定していなかったのに、つい買ってしまった」という経験はないでしょうか。実店舗において衝動買いを誘導させる際に活用できる行動心理についてご紹介します。
レッスン内容
衝動買いが起きる3つの理由
衝動買いをしてしまう一番シンプルな理由は、価格です。普段よく使っている商品がタイムセールなどで安くなっていたら、もともと買う予定がなく来店したとしても多くの人が迷わずカゴに入れてしまうでしょう。また、普段の値段だったら買わないけど、ちょっと気になっていたし安くなっているから買ってみよう!と今まで買うには至っていなかったというような商品を購入してみるきっかけにもなります。
スーパーで、トマト缶のある陳列棚にパスタと具材も置いてあるとします。すると、もともとスープを作るつもりでトマト缶だけ買おうとしていた人でも、それを見て「パスタもいいな」と思い、ついで買いをする可能性があります。その場で複数の関連商品をピックアップできることで、買い忘れが防げる場合もあります。よく一緒に購入されることの多い商品をまとめて陳列しておくと、お客様にとってもお店にとっても大きなメリットがあります。
衝動買いをしてしまう心理に、買いやすさという観点があります。商品を入手するまでのプロセスが簡単であることは、購入頻度や購入率に影響します。例えば、ネット通販は時間や場所や他人の目を気にせずに、何度かのクリックをするだけで家まで届くという手軽さの点で優れています。レビュー欄がある場合は、消費者が買うか否か検討するのに役立ちますし、目をつけていなかった商品でもレビューを読んだら欲しくなって買ってしまったということもよくあるケースです。その反対に、買おうと思っていたけれどレビューを読んでやめたというケースもあるでしょうが、お店にとっても購入後のクレームや返品、交換が減るため、悪いことばかりではありません。ネット通販のマイナス点としては、実店舗に比べ、実際に見たり手にとったりすることができない、リアルタイムで店員さんに相談がしにくい、すぐに持ち帰ることができないなどが上げられます。
衝動買いを誘発する6つの心理法
松竹梅効果(ゴルディロックスの原理)とは、3段階の価格や条件がある商品から1つを選ぼうとするとき、人は真ん中のグレードのものを選びやすいという心理傾向のことです。例えば料理店で松・竹・梅と価格別に3つのメニューがある場合、真ん中の値段のものが最も多く注文されます。
心理を活用した方法
これは、一番高い値段のものだと高すぎる、または贅沢すぎると感じるけれども、一番安いものだと満足できないかもしれないし、傍目に貧乏くさく見えるかもしれない。真ん中の価格の商品を選ぶのが最も失敗が少なそうで、見え方も悪くなく、ちょうどいい、という心理が働くからです。
日本ではこれを松竹梅効果と呼んでいますが、諸外国ではゴルディロックスの原理と呼ばれています。これはイギリスの童話「三匹の熊」でゴルディロックスという名の女の子が熊の家に入り、3つのチョイスの内からちょうどいい温度のスープ、ちょうど良い硬さの椅子ものなど、「ちょうどいい」程度のものを選ぶところにちなんでいます。
この法則を利用すると、店側は一番売りたい商品を真ん中の価格の商品に据え、その上と下の価格の商品と並べると、望む結果がもたらされる可能性が高いです。
ただし消費者は商品の内容と価格のバランスをよく吟味していますので、店側はその点丁寧に検討して値付けをする必要があります。一番高価なものには手を出しにくいけれど、一番安価なものにするよりは、少し頑張って真ん中の価格の商品を買おう、そう思ってもらえるバランスを見極めることがカギとなります。
「ザイオンス効果」は単純接触効果ともいい、それまで関心を持っていなかったものでも、接触する回数が多くなっていくほど親近感や好感度が高まっていくという理論です。
心理を活用した方法
よく見る商品、よく会う人など、ただ回数多く接しているだけで次第に警戒心が薄れていき、信用や好印象へと繋がっていきます。現代であれば、相手のタイミングや性格などを気にしすぎることなく自社や商品のことを思い出させることのできるインターネット広告やメールマガジンなどの手法も有効です。
ただし、一度ひどく悪い印象を持たれてしまった場合、回数を重ねるごとに嫌悪感も増幅していくという逆効果も起こり得るため注意が必要です。接触回数が増えること自体で効果があるので、接触時には、何気ない会話やお客様が興味を持ちそうな情報提供なども交えながら距離を縮めていくという方法も良いでしょう。
バンドワゴンとはパレードや行列で先頭を行く、楽隊を乗せた賑やかな車のことを指します。その車を先頭にたくさんの人が動いていくように、多数の人が支持しているモノやコトには、自然とさらに多くの人が追随し、支持が広がっていくことを、バンドワゴン効果いいます。
心理を活用した方法
また実際にたくさんの人が支持しているかどうかは問題ではなく、そういった風潮や噂があれば、この効果が現れます。英語では「バンドワゴンに乗る」というフレーズで、「多数の側につく」「優勢な側につく」「流行にのる」という意味を持ちます。人は自然と、大勢の人が正解だと言っているものが正解に思えたり、良く見えたりするものです。これは元来人間が、群れに同調しているほうが安全、安心だと感じる本能を持っているからだと言われています。
たとえば「売上No.1」、「〇〇(人気の有名人)も愛用」など「売れている感」「良さそう感」のある文言にはそのパワーがあります。商品説明やPOP広告などでうまく活用できると良いでしょう。
市場において、需要に対して供給量が少ないと認識されたときに、その商品はより魅力的に見え、価格が上昇したり、価値が高く感じられたりするようになります。これが希少性の原理です。限定品、入手困難、在庫数が僅かなど、それが希少であると思うと余計に欲しくなってしまうのが人情です。
心理を活用した方法
売り込む際に「残り〇個」「今はもう作ることができない」「期間限定」といったフレーズがあると、「今買わないともう手に入らないかもしれない」「価格が高くても仕方ない」という気持ちを高め、購入すべきか否か熟考するよりも、手に入れたいという気持ちが勝つことがあります。
エピソード記憶というのは、不特定多数の人と共通して持っている一般的・客観的な知識や情報の記憶ではなく、個人的に体験した出来事からなる思い出的な記憶のことで、その時に個人のおかれていた環境(場所、時間など)感情も含んでいます。ある商品を見た瞬間に、ある思い出とともに強い感情がよみがえることがあります。
心理を活用した方法
好きだった商品の復刻版、楽しかったあの時に食べたこのお菓子、昔憧れていた商品を見つけた時など、無意識に「欲しい」「買わなくちゃ」といった感情が湧いてくることがあり、上手く喚起させることで、顧客の衝動購買が生まれます。
他者からなにかをしてもらったら、自分もなにかお返しをしたいと思う心理のことです。店と客という関係であれば、お客様に試食やおまけなどのちょっとしたサービスを提供して、もっと大きい見返り(買い物)を期待するという利用法を考えることができます。
心理を活用した方法
施すものは物品である必要はなく、「店員さんが時間を割いて丁寧に説明してくれた」、「デメリットの点も伝えてくれて誠意を感じた」といった接客サービス、「自分の名前や話したことを店員さんが覚えていてくれた」、「自分には広告に載せていないことを教えてくれた」といったVIP感などが、購買行動に繋がることもあります。
まとめ
衝動的に「これが欲しい!」と思える商品に出会えるときは誰にとっても、とてもわくわくする幸せな時間です。「あのお店に行くとついいろいろ買ってしまうんだよね」と言いながら何度も通ってしまうお店ってあるものですよね。お客様の深層心理に訴えかける広告やPOP、陳列、接客を意識して、思わず衝動買いをしてしまうような魅力的なお店を目指しましょう!