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クリエティブマーケター
レッスン内容
ERRCとは
ERRCは、マイケル・ポーターによって提唱された戦略的なフレームワークの一つです。このフレームワークは、競争戦略の策定やビジネスモデルの評価に役立ちます。
Eliminate(排除) | 顧客にとって付加価値の低い、無駄な要素や活動を特定し、それらを排除することで競争上の優位性を獲得します。これにより、コストを削減し、リソースをより効果的に活用することが可能となります。 |
Reduce(削減) | 顧客にとって重要な要素や活動については、コストやリソースを最小限に抑えながらも効率的に提供することで、競争上の優位性を獲得します。これにより、価値を提供する能力を維持しつつ、コストを最適化します。 |
Raise(向上) | 顧客にとって価値のある要素や活動については、その品質や性能を向上させることで、競争上の優位性を獲得します。これにより、顧客の満足度や購買意欲を高めることが可能となります。 |
Create(創造) | 新たな価値を顧客に提供するために、従来とは異なる要素や活動を創造することで、競争上の優位性を獲得します。これにより、市場での差別化や革新的なサービス提供が可能となります。 |
バリューイノベーションとは
バリューイノベーションは、マーケットにおいて新しい価値を創造し、それを提供することによって競争上の優位性を確立する戦略的なアプローチです。この概念は、W. Chan KimとRenée Mauborgneによって提唱された「ブルーオーシャン戦略」の一部として注目されました。
バリューイノベーションは、企業が競合他社とは異なる市場のニーズや要求に焦点を当て、そのニーズを満たすための新しい価値提案を生み出すことを目指します。これにより、新たな市場を創造し、競争上の優位性を確立します。バリューイノベーションは、企業が製品やサービスの価格競争から脱却し、独自の価値を提供することで、市場での差別化を図る手段として注目されています。ERRCはバリューイノベーションを達成するためのアプローチになります。
ERRCの注意点
ERRCグリッドは、戦略的な問題解決やビジネスモデルの評価に役立つ有用なツールですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。
単純化の危険 | 複雑な問題を単純化して分析するためのツールですが、この単純化が問題の本質を見失わせる可能性があります。複雑な問題に対しては、単一のフレームワークだけでなく、他の手法やツールも併用する必要があります。 |
バイアスの影響 | 参加者のバイアスや事前の偏見が解決策や提案に影響を与える可能性があります。特定の提案を支持する傾向がある場合、客観的な評価が難しくなる可能性があります。 |
創造性の制限 | 既存の要素を改善することに焦点を当てるため、新しいアイデアや革新的な解決策を生み出すのに適していない場合があります。革新的な発想が必要な問題に対しては、他の方法やツールがより適している場合があります。 |
実行の難しさ | ERRCグリッドで特定された解決策や提案は、実行に移す際に実際の課題や障害が発生する可能性があります。解決策の実行可能性や実行段階での調整が重要です。 |
全体像の欠如 | 個々の要素や活動に焦点を当てるため、全体的な戦略やビジョンの欠如につながる可能性があります。戦略的な全体像を見失わないようにするために、ERRCグリッドを使用する際には、より広範な視野を持つことが重要です。 |
ERRCの手順
これらの手順を通じて、ERRCフレームワークを活用することで、戦略会議は効果的に問題解決を行い、組織の成果を向上させることができます。
最初に、会議の目的を明確にし、解決すべき問題や課題を定義します。問題や課題が具体的に明確化されると、ERRCフレームワークを適用するための基盤が構築されます。
次に、参加者は関連する情報やデータを収集し、分析します。これには、市場分析、競合分析、顧客のフィードバック、および内部の強みや弱みの評価などが含まれます。
Eliminate(排除) | 問題や課題を引き起こす要因や無駄な活動を特定し、それらを排除する提案を議論します。 |
Reduce(削減) | 問題を解決するために必要な活動や要素を最小限に抑え、効率性を高める提案を議論します。 |
Raise(向上) | 既存の要素や活動の品質や性能を向上させる提案を議論します。 |
Create(創造) | 新しい要素や活動を創造し、問題を解決するための新たな価値提案を議論します。 |
提案されたアイデアや解決策を評価し、優先順位を付けます。優先順位付けの際には、提案の実行可能性、効果、リスク、およびリターンなどの要素を考慮します。
最後に、優先された解決策に基づいて、具体的なアクションプランを策定します。アクションプランには、責任者、期日、予算、および進捗状況のモニタリング方法などが含まれます。
メンバーの選定
限られた時間の中で話し合いを実施する場合は、参加者の主観がメインになりがちなので、メンバーによってアイデアが偏ります。同じ部署のメンバーであれば、課題を共有できたり問題点を深掘りできます。違う部署メンバーであれば自分たちでは気づいていない視点を発見することができます。目的に応じてメンバーの選抜を決めるていきましょう。
同一部署のメンバーにした場合
- ◼️ メリット
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共通の知識と経験 同じ部署のメンバーは、共通の業務やプロジェクトに関する知識と経験を持っています。この共通の背景があるため、議論やアイデアの共有が円滑に行われる場合があります。 コミュニケーションの容易さ 同じ部署のメンバー同士であれば、コミュニケーションがより容易に行えます。顔見知りであるため、意見やアイデアを自由に交換しやすくなります。 部署全体の視点の共有 同じ部署のメンバーが集まる場合、部署全体の視点や目標を共有しやすくなります。これにより、部署間の連携や調整が円滑に行われる場合があります。 - ◼️ デメリット
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視野の狭さ 同じ部署のメンバーだけで構成される場合、特定の視点やアプローチに偏りが生じる可能性があります。他の部署や異なるバックグラウンドのメンバーが不在のため、新しい視点やアイデアが生まれにくくなる場合があります。 グループ思考のリスク 同じ部署のメンバー同士でのグループ思考のリスクがあります。部署の共通の価値観や考え方に固執し、新しいアイデアや異なる視点を受け入れにくくなる可能性があります。 イノベーションの制約 同じ部署のメンバー同士でのマンダラートに参加する場合、イノベーションや創造性の制約が生じる可能性があります。新しい視点や発想の刺激が不足するため、革新的なアイデアや解決策の発展が阻害される場合があります。
他部署を交えたメンバーにした場合
- ◼️ メリット
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異なる視点とアプローチ 他部署のメンバーは、異なるバックグラウンドや専門知識を持っています。彼らの参加により、マンダラートに異なる視点やアプローチがもたらされ、より多角的な議論や意思決定が促進されます。 新しいアイデアと刺激 他部署のメンバーは、他の部署での経験や知識を持っています。彼らの参加により、新しいアイデアや刺激がもたらされ、イノベーションや創造性の向上が期待されます。 部門間の連携と調整 他部署のメンバーが参加することで、部門間の連携や調整が促進されます。異なる部署間の共通の目標や関心事を共有し、より効果的な連携が実現されます。 - ◼️ デメリット
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コミュニケーションの課題 他部署のメンバーとのコミュニケーションには、距離やコミュニケーションの障壁が存在する場合があります。コミュニケーションの課題を克服するために、適切なコミュニケーションツールやプロセスを導入する必要があります。 理解の不足 他部署のメンバーは、特定の業務やプロセスについての理解が不足している場合があります。このような場合、情報や背景を共有し、理解を深めるための時間と労力が必要になります。 意見の相違 他部署のメンバーとの間で意見の相違が生じる場合があります。異なるバックグラウンドや視点を持つため、意見の相違が生じやすく、これを解決するために十分な議論や妥協が必要になります。
ファシリテーションスキル
ファシリテーションとは、グループやチームが特定の目標を達成するために、プロセスや会議の進行を効果的に支援することを指します。ファシリテーターは、参加者が円滑にコミュニケーションし、意見を共有し、意思決定を行うための環境を作り出す役割を果たします。
ファシリテーションの目的は、グループの合意形成や問題解決、アイデアの創出などのプロセスを促進し、効果的な成果を達成することです。ファシリテーターは、議論の進行や時間管理、参加者間のコミュニケーションを円滑にするために、さまざまなツールや技術を活用します。
ファシリテーションは、会議やワークショップ、ブレインストーミングセッションなど、さまざまな場面で活用されます。効果的なファシリテーションは、参加者のエンゲージメントを高め、成果を最大化するための重要な要素となります。
コミュニケーション能力 | 参加者との円滑なコミュニケーションを確保し、議論を促進するための能力が必要です。 |
リーダーシップ能力 | ブレインストーミングのプロセスを進行し、参加者を誘導して適切な方向に導く能力が必要です。 |
柔軟性 | 予期せぬ状況や問題に対応し、柔軟にプロセスを調整する能力が必要です。 |
プロセス管理能力 | 時間管理や進行状況の把握、議論の整理など、ブレインストーミングのプロセス全体を効果的に管理する能力が必要です。 |
ネゴシエーション能力 | 意見の対立や異なる視点の調整を行い、参加者間の合意形成を促進する能力が必要です。 |
フィードバック受容能力 | 参加者からのフィードバックを受け入れ、プロセスの改善や効果的なファシリテーションのためにそれを活用する能力が必要です。 |
ルールの確認
これらのルールを守ることで、ブレインストーミングセッションが効果的に実施され、参加者が自由にアイデアを発想しやすくなります。ブレインストーミングの成功のために、以下のようなルールを設けることが重要です。
批判を避ける | アイデアを出す段階では、批判や評価を行わず、どんなアイデアも歓迎することを明確にします。 |
アイデアを拒否しない | どんなに奇抜なアイデアでも受け入れ、記録します。偏見や偏見にとらわれずに自由な発想を促します。 |
質よりも量を重視する | アイデアの量ではなく、質に重点を置きます。深く考え抜かれたアイデアや斬新な提案を評価します。 |
自由な発想を促す | 参加者が自由に考え、意見を述べやすい環境を作ります。制約や制限を極力減らし、アイデアの自由な発散を促します。 |
時間制限を設ける | ブレインストーミングセッションには時間制限を設け、参加者が集中して取り組めるようにします。考える時間は10分以内にしてください。 |
ファシリテーターの指示に従う | ファシリテーターが設けたルールやガイドラインに従い、円滑なセッションの進行をサポートします。 |
まとめ
ERRCグリッドを使うことができるようになると、コスト削減と価値の創造のヒントを同時に発見することができます。競合がいなければ、ブルーオーシャンとして独占することができますが、4つの項目を探すことは困難になります。CEVSTYの研修やセミナーなどで詳しく解説をしていきますので、興味がある方はぜひお問い合わせください。