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クリエティブマーケター
レッスン内容
フィッシュボーンとは
フィッシュボーン、または魚の骨図(ぎょのほねず)は、問題解決や原因分析のためのグラフィカルな手法です。魚の骨図は、問題や課題を中心に配置される水平な線(魚の背骨に似ているため)から、その問題や課題に影響を与える様々な要因や要素を放射状に連結することで構成されます。これにより、問題の根本原因を特定するのに役立ちます。
フィッシュボーンの活用場面
フィッシュボーンは、さまざまな場面で活用されます。以下はその例です。
品質管理と品質改善 | 製造業やサービス業において、製品やサービスの品質を向上させるためにフィッシュボーンが使用されます。品質問題の根本原因を特定し、改善策を検討するのに役立ちます。 |
トラブルシューティング | 機械や設備の故障や問題を解決するためにフィッシュボーンが活用されます。機械の稼働停止や不良品の発生などの問題の原因を特定し、解決策を導き出すのに役立ちます。 |
プロジェクト管理 | プロジェクトの遅延や予算超過などの問題に対処するためにフィッシュボーンが使用されます。問題の原因を特定し、プロジェクトの進行をスムーズにするための改善策を議論するのに役立ちます。 |
サービス業の改善 | サービス業において、顧客の不満やクレームの原因を特定し、サービスの品質を向上させるためにフィッシュボーンが活用されます。顧客満足度を向上させるための具体的な改善策を検討するのに役立ちます。 |
組織の問題解決と改善 | 組織全体の問題や課題に対処し、業績を改善するためにフィッシュボーンが活用されます。組織のプロセスや手順に関する問題を特定し、効果的な改善策を導き出すのに役立ちます。 |
フィッシュボーンの特徴
フィッシュボーンの特徴とメリットは以下の通りです。
問題の複雑な関係を視覚化する能力 | 問題や課題に影響を与える様々な要因や要素を視覚化するための強力なツールです。これにより、問題の複雑な関係を一目で把握できます。 |
原因と結果の関連性を理解する | 問題の根本原因とその結果の関連性を明らかにするのに役立ちます。この手法を使うことで、問題の根本原因を特定しやすくなります。 |
チームワークや共同作業を促進する | チームメンバーが一緒に問題解決に取り組むのに適したツールです。グループでアイデアを出し合い、共有することで、より多くの視点や情報が得られます。 |
改善の方向性を示す | 問題の根本原因を特定するだけでなく、その解決策や改善の方向性を示すのに役立ちます。これにより、問題を解決するための具体的なアクションプランを策定することができます。 |
客観的なデータの収集 | フィッシュボーンを作成する際には、客観的なデータや情報を収集する必要があります。この過程で、問題や課題についてより深く理解し、客観的な視点からアプローチすることができます。 |
フィッシュボーンの注意点
フィッシュボーンの注意点やデメリットは以下の通りです。
主観的な要因の影響 | フィッシュボーンは、問題の根本原因を客観的に特定するためのツールですが、時には主観的な見解や仮説に基づいて要因が追加されることがあります。このため、客観的なデータとのバランスを保つことが重要です。 |
過剰な単純化 | 問題の原因を特定するためにフィッシュボーンを使用する際、過剰に単純化された見方に陥ることがあります。特に複雑な問題に対しては、単一の原因だけでなく複数の要因が影響している場合がありますので、これを考慮する必要があります。 |
要因の過不足 | フィッシュボーンを作成する際に、すべての可能な要因を網羅することが難しい場合があります。特に問題の根本原因を見逃すことがある場合がありますので、十分な検討とデータ収集が必要です。 |
時間とリソースの消費 | フィッシュボーンを作成するには、時間とリソースが必要です。特に大規模な問題に対しては、複数の人員が関与し、慎重な分析と討論が必要です。 |
適用範囲の限定 | フィッシュボーンは、特定の種類の問題や課題に対して有効なツールですが、すべての問題に対して適用できるわけではありません。特に定量的なデータや原因と結果の明確な関係がない場合には、限定的な効果しか期待できません。 |
フィッシュボーンのポイント
フィッシュボーンを成功させるためのポイントは次のとおりです。
適切なチームの組織 | 問題解決や改善プロセスに参加するチームを慎重に選択し、関連する専門知識や経験を持つメンバーを含めることが重要です。 |
十分なデータ収集 | 問題の原因を特定するために、客観的なデータを収集し、十分な情報を基に議論を進めることが重要です。 |
明確な目的の設定 | フィッシュボーンを使用する目的を明確にし、チーム全体が共通の目標に向かって作業を進めることが重要です。 |
適切な問題の定義 | 問題を正確に定義し、問題の範囲を明確にすることが重要です。範囲が広すぎると、分析が複雑化しすぎる可能性があります。 |
オープンなコミュニケーション | チームメンバーがオープンに意見を交換し、異なる視点やアイデアを尊重することが重要です。建設的なディスカッションを促進し、アイデアの共有と改善を促します。 |
効果的なファシリテーション | ファシリテーターが適切な方法で会議を進行し、全てのメンバーが積極的に参加できるようにサポートすることが重要です。 |
具体的なアクションプランの策定 | フィッシュボーンの結果を元に、具体的なアクションプランを策定し、改善活動を進めることが重要です。アクションプランは、責任者や期限を明確に定義する必要があります。 |
フィッシュボーンの手順
フィッシュボーンを作成する一般的な手順は以下の通りです。
不調であることや課題を右端(特性部分)に記入します。一般的な主題には、「人」「プロセス」「装置」「環境」「マテリアル」「方法」などがありますが、問題に応じて適切な主題を選択します。特性部分に向けて少し太い矢印を記入します。これが背骨になります。
特性に大きな影響を与える要因を洗い出して書き出します。これらの要因は深く考えずに思いつく内容にしてください。
洗い出された要因を適切なカテゴリーに分類します。要因に影響を与える要素を書き出していきます。こちらも深く考えずに記入しましょう。
各要因に関連するデータや情報を収集し、問題の原因を特定します。客観的なデータを使用して、問題に影響を与える可能性のある主要な要因を特定します。
特性部分を改善するためには要因を解決する必要があり、要因を解決するためには要素を解決する必要があります。骨が太い部分であるほど、課題は大きくなり労力もかかりますが、解決することで大きな成果が期待できます。解決していくために大切なのは「選択と集中」であり「重要性と緊急性」になります。限られた資源の中で成果を上げるためには、特性に最も影響がある課題を解決することです。
最後に、議論された改善策を元に、具体的なアクションプランを策定します。責任者や期限を明確にし、改善活動を実施するためのスケジュールを作成します。
フィッシュボーンのルール
フィッシュボーンを行う際には、次のようなルールやガイドラインが役立ちます。
客観的な分析 | 主観的な意見や仮説に基づかず、客観的なデータや情報に基づいて要因を特定します。事実に基づく分析を行うことが重要です。 |
全員参加 | チームメンバー全員がアクティブに参加し、アイデアを出し合い、議論に参加します。意見の多様性を尊重し、全員の声が反映されるようにします。 |
専門知識の活用 | 適切な専門知識を持つメンバーを参加させ、問題に対する深い理解と適切な分析を行います。必要に応じて、専門家や関係者を招集します。 |
明確な目的設定 | フィッシュボーンの目的を明確に定義し、参加者に共有します。何を達成したいのか、どのような問題を解決しようとしているのかを明確にします。 |
構造化されたアプローチ | 問題解決プロセスを構造化し、手順に沿って進めます。主題の選択、要因の洗い出し、データ収集、問題の分析、解決策の検討などの段階を順序良く進めます。 |
フィードバックの受容 | チームメンバーからのフィードバックを受け入れ、適切に対応します。意見の違いや異なる視点を尊重し、建設的な議論を行います。 |
結果の文書化と共有 | フィッシュボーンの結果を文書化し、関係者と共有します。問題の根本原因や提案された改善策、アクションプランなどを明確に記録し、情報を共有します。 |
継続的なフォローアップ | フィッシュボーンを使用して特定した改善策やアクションプランを実行し、継続的なフォローアップを行います。結果をモニタリングし、必要に応じて調整を行います。 |
メンバーの選定
限られた時間の中で話し合いを実施する場合は、参加者の主観がメインになりがちなので、メンバーによってアイデアが偏ります。同じ部署のメンバーであれば、課題を共有できたり問題点を深掘りできます。違う部署メンバーであれば自分たちでは気づいていない視点を発見することができます。目的に応じてメンバーの選抜を決めるていきましょう。
同一部署のスタッフの場合
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共通の知識と経験 同じ部署のメンバーは、共通の業務やプロジェクトに関する知識と経験を持っています。この共通の背景があるため、議論やアイデアの共有が円滑に行われる場合があります。 コミュニケーションの容易さ 同じ部署のメンバー同士であれば、コミュニケーションがより容易に行えます。顔見知りであるため、意見やアイデアを自由に交換しやすくなります。 部署全体の視点の共有 同じ部署のメンバーが集まる場合、部署全体の視点や目標を共有しやすくなります。これにより、部署間の連携や調整が円滑に行われる場合があります。 - ◼️ デメリット
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視野の狭さ 同じ部署のメンバーだけで構成される場合、特定の視点やアプローチに偏りが生じる可能性があります。他の部署や異なるバックグラウンドのメンバーが不在のため、新しい視点やアイデアが生まれにくくなる場合があります。 グループ思考のリスク 同じ部署のメンバー同士でのグループ思考のリスクがあります。部署の共通の価値観や考え方に固執し、新しいアイデアや異なる視点を受け入れにくくなる可能性があります。 イノベーションの制約 同じ部署のメンバー同士でのマンダラートに参加する場合、イノベーションや創造性の制約が生じる可能性があります。新しい視点や発想の刺激が不足するため、革新的なアイデアや解決策の発展が阻害される場合があります。
他部署同士がメンバーの場合
- ◼️ メリット
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異なる視点とアプローチ 他部署のメンバーは、異なるバックグラウンドや専門知識を持っています。彼らの参加により、マンダラートに異なる視点やアプローチがもたらされ、より多角的な議論や意思決定が促進されます。 新しいアイデアと刺激 他部署のメンバーは、他の部署での経験や知識を持っています。彼らの参加により、新しいアイデアや刺激がもたらされ、イノベーションや創造性の向上が期待されます。 部門間の連携と調整 他部署のメンバーが参加することで、部門間の連携や調整が促進されます。異なる部署間の共通の目標や関心事を共有し、より効果的な連携が実現されます。 - ◼️ デメリット
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コミュニケーションの課題 他部署のメンバーとのコミュニケーションには、距離やコミュニケーションの障壁が存在する場合があります。コミュニケーションの課題を克服するために、適切なコミュニケーションツールやプロセスを導入する必要があります。 理解の不足 他部署のメンバーは、特定の業務やプロセスについての理解が不足している場合があります。このような場合、情報や背景を共有し、理解を深めるための時間と労力が必要になります。 意見の相違 他部署のメンバーとの間で意見の相違が生じる場合があります。異なるバックグラウンドや視点を持つため、意見の相違が生じやすく、これを解決するために十分な議論や妥協が必要になります。
ファシリテーションスキル
ファシリテーションとは、グループやチームが特定の目標を達成するために、プロセスや会議の進行を効果的に支援することを指します。ファシリテーターは、参加者が円滑にコミュニケーションし、意見を共有し、意思決定を行うための環境を作り出す役割を果たします。
ファシリテーションの目的は、グループの合意形成や問題解決、アイデアの創出などのプロセスを促進し、効果的な成果を達成することです。ファシリテーターは、議論の進行や時間管理、参加者間のコミュニケーションを円滑にするために、さまざまなツールや技術を活用します。
ファシリテーションは、会議やワークショップ、ブレインストーミングセッションなど、さまざまな場面で活用されます。効果的なファシリテーションは、参加者のエンゲージメントを高め、成果を最大化するための重要な要素となります。
まとめ
フィッシュボーンは、効果的な問題解決や改善活動を行うための貴重なツールであり、適切に活用することで組織やプロジェクトのパフォーマンスを向上させることができます。