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クリエイティブマーケター
レッスン内容
デザインシンキングとは
イノベーションは「革新的な技術や発想によって、新しい価値を生み出す」ことです。デザインシンキングとは“ユーザーの視点に立った”課題の本質を発見することを特徴とするデザイン思考法になります。頭の中や言語の中で飛び交っていたイメージを写真や動画を撮影することで具現化していくように、創造から想像へシフトさせていきます。
デザインシンキングの必要性
デザインシンキングが注目されている背景としては、市場構造の変化があります。これまで、製品やサービスなどを開発する現場では、マーケットやユーザーニーズを調査し、仮説を設定・検証して製品を開発する仮説検証型のアプローチでは対応できなくなってきたからです。
変化が激しく予測困難な状況であるVUCA時代「Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)」では、リサーチを行っても課題の本質を迅速に捉えることが難しい状況になっており、人工知能AIやDXなどの急速な技術革新によって、社会構造が大きく変化しています。
デジタルシンキングの利点
デジタルシンキングを習得することで得ることができる利点になります。思考法には様々な種類と特性があります。目的や用途に応じて思考法を使い分けることで、期待できる効果を最大化していきましょう。
ユーザー視点で課題を捉えることができるようになり、ニーズに沿ったプロダクトの開発に活かせます。ユーザーが真に求めるプロダクト・サービスを提供することにより、顧客満足度の向上につながる。
デザインシンキングは、市場中心型のアプローチではなく、ユーザー中心設計の考え方になります。ユーザーのニーズリサーチして課題の本質はもちろん、ユーザーも気づいていない新しいアイデアを発見できます。
デジタルシンキングはユーザーの視点に重きを置いて発想する思考法になりますが、Webにおいてユーザーが発信しているブログやSNSが多数あるため、直接アンケートやインタビューをしなくても情報収集ができます。
5つの思考プロセス
スタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所では、デザインシンキングを実践する際に5つのプロセスを踏んでいく必要があると提唱しています。PDCA「Plan(計画)Do(実行)Check(検証)Action(改善)」を繰り返すことが成果につながる近道になります。
担当者とユーザーは同じ価値観ではないため、願望や欲求を想像することには限界があります。担当者はユーザーの共感を得るために、インタビューやアンケート、モニタリングやソーシャルリスニングを分析して、興味関心ごとや流行している要因や背景を把握する必要があります。ユーザーでも新規やリピーターによって求めるている価値が違うため、顧客の設定がポイントです。
ユーザーの共感をヒントにニーズを設定していきます。何を実現したいのか、潜在的な課題は何なのかを深掘りしていきます。ユーザー自身でもまだ気付いていない潜在ニーズもあります。
ユーザーが実現したいこと、ユーザーのニーズを定義できたら、解決できるアイデアやアプローチ手法を話し合って目指すべきテーマやコンセプトをリストアップしていきます。
アイデアが固まったところで、時間やコストをできるだけ掛けずに、ひとまず一度形にしてみます。そうすることで、新たな視点や問題点に気づくことができます。
試作品に対するユーザーテストを繰り返し、フィードバックされた意見を参考にブラッシュアップしていきます。定義したユーザーのニーズや概念化、試作などを検証しながら、精度の高い製品やサービスづくりを行っていきます。
他の思考法との違い
アートシンキング | 個人の自由な発想や感性によって作品を創作するための思考法です。デザイン思考とアート思考はどちらもアイデアを創出するためのものですが、ユーザーニーズを起点に課題を解決するデザイン思考とは違い、アート思考は自分自身の自由な発想を起点にオリジナリティのある作品を生み出すことを重視します。 |
ロジカルシンキング | 物事を体系立てて整理し、矛盾なく考える思考法です。デザイン思考とロジカル思考はどちらも課題解決のための思考法ですが、プロセスに違いがあります。デザイン思考はユーザーニーズを起点にクリエイティブな発想で解決策を見出すのに対し、ロジカル思考は課題や事象そのものを起点に、課題を細分化して論理的に考えることで解決を試みます。 |
クリティカルシンキング | 「本当にこれで正しいのか」という視点で物事を見ることにより、正しい論理につなげていく思考法です。クリティカルシンキングは客観的に解決方法を分析するため、ユーザーニーズに共感するという特徴を持つデザイン思考とはアプローチの方法が異なります。 |
ラテラルシンキング | ビジネスにおいてひとつの事象をあらゆる方面・角度から捉え、これまでの常識を疑い、革新的な発想を生み出す思考法です。 慣習や既成概念にとらわれずに発想を広げられるため、斬新な発想、アイデアが求められる際に効果を発揮します。 |
デザインシンキング | “ユーザーの視点に立った”課題の本質を発見することを特徴とするデザイン思考法になります。頭の中や言語の中で飛び交っていたイメージを写真や動画を撮影することで具現化していくように、創造から想像へシフトさせていきます。 |
フレームワーク
ユーザーの思考や価値観を発見
【共感マップ】
共感マップ(エンパシーマップ)は、以下に掲げる視点に基づいて、ユーザーの思考や価値観を把握するためのフレームワークだ。ユーザーの本質をより理解しやすくなってくる。
顧客ニーズに合った事業を考案
【ビジネスモデルキャンバス】
ビジネスモデルキャンバスは、以下の9要素に関してポイントを整理し、ビジネスモデルを分析していくフレームワークだ。新たなアイデアのヒントを得る際に役立つだろう。
短期間で顧客体験の検証ができる
【デザインスプリント】
短期間かつ低コストでアイデアのニーズ検証や、プロトタイプを用いた顧客体験の検証ができるため、スピード感のあるマーケットインが求められるデジタル領域における新規サービス開発においてよく用いられます。
顧客の価値と自社の強み
【バリュープロポジションキャンバス】
顧客のニーズに合致した価値提案を作成するためのツールです。このキャンバスは、企業が提供する製品やサービスが顧客にとってどのように価値を持つかを明確にするために設計されています。
まとめ
ロジカルシンキングが理論派であれば、デザインシンキングは感情派です。両者にはそれぞれの特性があり、担当者がどちらのタイプかによって導き出されるプレゼン結果は異なります。定量ばかりでは新しい発想は生まれにくく、定性だけでは一か八かになってしまいます。デザインシンキングの発想で探索をするチームや担当者、ロジカルに検証・分析をするチームや担当者など、役割を分ける方法が重要です。それぞれの特性を発揮させることでシナジー効果(相乗効果)を生み出していきます。
そのためには、既存の固定観念を取り除くことはもちろん、これまでのやり方を辞める決断をしなければならない場合があります。長年同じ方法でやり続けた人にこれまでのことを辞めて新しいことに挑戦してもらうためには、しっかりとした説明と環境整備が必要になります。CEVSTYでは研修やセミナーなどで詳しく解説をしていきますので、興味がある方はぜひお問い合わせください。