求人を募集する際に現在働いているスタッフに現状を聞く動画は、オーナーや担当者から伝えられるよりも信憑性があります。撮影と編集のスキルを学んだばかりの方でも、すぐに動画を制作することができます。ここでは、見本動画を参考にインタビュー動画の作り方を解説します。
完成イメージ
撮影に必要な準備
動画制作をする際に必要なものをご紹介します。
- 出演スタッフ(モデル)
- スマートフォン1台
- カメラ三脚
- ライト(用意できれば)
- ピンマイク(用意できれば)
- 質問事項
- 編集アプリ
出演スタッフ
動画に登場したスタッフさんが会社全体のイメージに直結することは、決して大袈裟な表現ではありません。行動心理の観点からも、最初に見た動画はその企業のベースになるため、そこから印象を変えることは困難です。
また、人は印象から導かれた妄想を抱くため、良い印象は全てが良く見え、暗い印象はすべてが暗く見えます。動画に登場して話をするスタッフは、コンセプトに合った人選を心がけましょう。
インタビューの場所選び
インタビュー撮影の場所選びで重要なのは、背景と音になります。背景が汚い壁だったりインタビューの後ろで動く被写体があると、気になって集中させることができません。また、音に関しても周りに人々の声や飛行機などの環境音がインタビューの音声よりも大きい場合は、コメントに集中できなくなります。
被写体の目線
インタビューに出演者したスタッフの目線について、真正面と目線を外す2種類があります。それぞれの違いについて解説します。
カメラ目線にした場合
直接自分に語りかけている感じになるため、強いメッセージを伝えたい場合に効果を発揮します。
非カメラ目線の場合
対話を傍観する感じになり、感想・気持ちを訊くインタビューなどに適しています。
非カメラ目線の撮影レイアウト
被写体は質問者の方を向いて答えることで、傍観しているような映像にすることができます。
質問者と被写体の目の高さを合わせることで、受け答えについても安定させることができます。
被写体の画角と位置
インタビュー動画を撮影する場合は、2台のカメラ(スマートフォン)で撮影することをお勧めします。一つはワイドショットで撮影して、もう一つはクローズアップで撮影します。動画編集で交互に映し出すことで、単調なインタビュー動画に緩急をつけることができます。画角の違いについてご紹介します。
被写体を左側にした場合
質問者よりも左側にカメラを設置した場合は被写体を左側にすると違和感がありません。
被写体を中央にした場合
中央に設置することで、被写体への注目度が高まります。
被写体を右側にした場合
少しクローズアップにした編集にすることで、表情の変化を捉えることができます。
質問項目のテキスト位置
質問項目のテキストについては、現在答えてくれている内容がどんな質問だったのかを把握させるために、挿入している動画が多くあります。テキストの位置や横書きと縦書きの印象についてご紹介します。
横書き(左上)
左上にした場合は、最初に目に留まりやすいですが、頭上に文字が重なります。
横書き(左下)
被写体の頭上の邪魔になりません。
縦書き(左側)
左側にあることで最初に目に留まります。
縦書き(右側)
日本語は右側から読み始めるので違和感はありません。
字幕スーパーの有無
字幕スーパーがあることで、音が出せない環境でも伝えることができたり、声の聞き取りにくさを軽減できますが、話した言葉を文字にする“文字起こし“や動画編集の時間を増やすことになります。それぞれの印象の違いについてご紹介します。
字幕スーパーがない場合
情報が映像と声だけになるので、一瞬の被写体の変化も捉えることができます
文字を見てしまうため、一瞬の変化を見逃す場合もあります。
質問者の声
対話形式にすることで、その場に同席しているようなシチュエーションで動画を視聴することができます。質問者の声をどうするのか迷う場合があります。可能であれば声は入れた方がいいです。質問に対してすぐに答える様子を映し出すことができるので、自然なインタビュー動画になります。
BGMの選び方
インタビューを中心とした動画ではBGMが欠かせません。スタッフの雰囲気や話す内容に応じて、BGMを選んでいきましょう。音声がメインの動画なので、メロディだけの曲を選ぶようにしてください。
マイクの準備
どんなに静かな場所でも人の声や環境音が入ります。インタビュー動画の撮影で便利なマイクの種類と特徴についてご紹介します。
ピンマイク
価格がお手頃なものが多く、取り付けも簡単です。有線になるため、取り付けに少し時間がかかったり、スマートフォンと被写体の距離が必要な場合は、マイクの配線ケーブルが長いものを用意する必要があります。
ワイヤレスマイク
配線がないため、自由度が高く取り付けも簡単です。受信距離も年々進化しているため、動く被写体やカメラとの距離がある被写体の声を録音したい場合におすすめです。価格はピンマイクに比べると高くなり、安い商品にするとノイズがひどくなることがあります。
ガンマイク
指向性のあるマイクになり、テレビのロケ先でもよく使用されています。一定方向の音を感知することが得意なため、インタビューなどカメラに向かって話す場合などにはおすすめです。価格帯は幅広くなっています。
ボイスレコーダー
スマートフォンには録音せずに、ピンマイクなどでボイスレコーダーに声だけを録音して、動画を編集する際に音を組み合わせる方法です。ワイヤレスに近い状態で録音できるだけでなく価格も抑えられ、通信エラーによる録音ミスも防ぐことができます。
ライトの準備
屋内であっても天井が高いオフィスであれば、顔が暗くなってしまいます。そこで活躍するのがライトになります。ライトを当てるだけで明るい印象を与えることができます。ここでは、インタビュー動画で役立つライトについてご紹介します。
スタンドライト
フォトスタジオなどにも設置されているLEDライトになります。光量が強く広い範囲を照らすことができます。様々な用途に活用できますが、本体が大きく重量があります。
リングライト
スタンドライトほどの強さはありませんが、インタビュー動画で人を照らすには十分のライトになります。改善された様々な種類のライトが発売されています。
ポータブルLEDライト
光の強さは制限されますが、持ち運びに適したサイズと重量となっており、コンパクトですが、十分な光を照らすことができます。LEDの数や色温度などの性能に応じて、価格帯に大きな開きがあります。
カメラ三脚の準備
インタビュー動画は登場人物が話す内容と表情に注目されるため、画面ばブレると集中力を欠いてしまうため、カメラを固定して撮影することをおすすめします。
インタビュー動画のNG行為
インタビュー動画の目的は、現場で働く人の「リアルな声」を聞くことができることです。そのため、下記のことをしてしまうと逆効果になってしまうので注意してください。
- 棒読みで語る
-
カメラの横に「カンペ」を用意して読ませるスタイルです。出演するスタッフも多忙なので、カンペを読みあげるだけだと依頼すれば承諾されやすくなります。しかし、視聴する側から見ると、感情を揺さぶられることもなく、強制的に言わされていると捉えてしまいます。
- 無表情で答える
-
人は楽しいことを話している場合は笑顔になり、悲しい話をしている場合は辛い顔になります。つまり、語る内容と表情は連動しているため、無表情で語ることで、本当はそうでもないと捉えます。
まとめ
インタビュー動画は一人でも撮影ができ、準備も手軽に行うことができます。シンプルな動画だからこそ、登場人物の語る内容や表情が重要になります。撮影する場合は、出演するスタッフがリラックスして、話しやすい環境を整えてあげてください。