広報人材の内製化を目指す
クリエティブマーケター
レッスン
▶️ 外部環境分析の目的
外部環境とは、組織や企業が活動を行う際に影響を受ける外部の要因や条件を指します。これには、経済状況、政治的・法的環境、技術的進歩、社会的・文化的要素、競争環境などが含まれます。外部環境を理解し分析することは、戦略立案や意思決定において非常に重要です。
1)市場調査 | 消費者のニーズや市場のトレンド、競合他社の分析など、広範な市場に関する情報を収集・分析する総合的な手法です。 |
2)顧客調査 | 顧客の行動や好みに焦点を当て、製品やサービスに関する洞察を得るための調査です。 |
3)製品調査 | 新製品の開発や既存製品の改良のために、顧客の要望や製品の機能に関する調査を行います。 |
4)広告・宣伝調査 | 広告キャンペーンや宣伝効果を評価し、効果的な広告戦略を策定するための調査です。 |
5)価格調査 | 製品やサービスの価格設定に関する調査を行い、市場での受容可能な価格帯を特定します。 |
6)流通調査 | 製品やサービスの流通チャネルや流通戦略に焦点を当て、最適な販売ルートを特定するための調査です。 |
7)ブランド調査 | ブランドの知名度、イメージ、顧客に対する影響などを評価し、ブランド戦略の改善を行うための調査です。 |
8)トレンドおよび先行指標調査 | 将来の市場トレンドや変化を予測するために、インダストリーや経済に関する先行指標を調査します。 |
▶️ 外部環境分析のメリット
マーケティングリサーチとは、市場調査で得たデータを分析して、これからの製品やサービスの市場動向を予測したり考察したりすることです。マーケティングリサーチスキルが身につくことで4つのことができるようになります。
商品の評価・価値の把握
市場のニーズを満たす商品・サービスを開発するためには、出回っている商品・サービスの評価や価値を知る必要があります。マーケティングリサーチを行うと、顧客の評価や価値を客観的に把握することができます。さらに、問題点や改善点も把握できるため、開発・企画の立案に活かせるのがメリットです。
顧客の新たなニーズ発見
新しい商品やサービスを開発するためには、顧客が気づいていないニーズを発見する必要があります。明確にターゲットを設定したうえでマーケティングリサーチを行うことで、顧客の動向をキャッチすることができます。その変化から考察を行い、モニタリング調査などで確証できるデータが取得できれば、定期的に質の高い新商品やサービスの開発するだけでなく、訴求すべき点も把握できるため、効果的な販売戦略や広告戦略を立てることができるようになります。
競合他社との差別化
競合他社の動向も調査することによって、人気商品やロングセラーになっている理由を把握することで、顧客の価値を確認できれば、自社の商品・サービスの強みをアレンジして、新たな差別化を生み出すこと可能になります。マーケットリサーチは市場における自社の優位性を高めるためにも必要といえます。
リスクの軽減
市場調査によってこれまでの実績や傾向を掴み、マーケティングリサーチによって顧客に対する手応えを感じて商品化することで、全く売れることがないというリスクを回避することができます。また、ホームユーステストなどで実際に利用した方の感想を把握して改善しておくことで、クレームや想定される不具合などにも素早く対応することが可能になります。
▶️ 外部環境分析の注意点
近年は顧客の価値観が多様化しており、顧客のニーズを把握するためのマーケティングリサーチが注目されています。調査するためには時間もかかるため、調査会社に依頼する企業も増えています。もちろん、調査会社に依頼することにより短時間で効率的なデータ取得が可能になります。さらに一目瞭然で分かるレポートなどにまとめてくれるます。
便利ではありますが、マーケティングリサーチをすべて外部に委託してしまうことで、スタッフの思考力や考察力を養う機会を損失してしまう可能性があります。アイデアとは、常日頃から意識しているものの中から、ふとした瞬間にひらめくことが多いのではないでしょうか。
インソーシング(社内スタッフ)は少し時間がかかりますが、スタッフが市場調査ができるようになったり分析することができるなどの成長も期待できます。全てをアウトソーシン(外注)するのではなく、社内と外注とのハイブリッドリサーチをオススメします。
▶️ 2つの調査評価
定量調査
定量調査とは、量や数といった数字データを収集する調査です。定量調査を行うには、一定数のターゲットに対してアンケートなどを実施し、ニーズや傾向を数値化します。短期間・低予算で実施できるのが定量調査の特徴です。定量調査には、ネットアンケート、イベント調査、郵送調査、ホームユーステスト、購買データの分析などがあります。
定性調査
定性調査は、少数のターゲットに対してインタビューなどを実施し、意見や評価を募る方法です。インタビューには、グループインタビュー、デプスインタビュー、エスノグラフィ、オンラインインタビューなど、さまざまな方法があります。定性調査では結果を数値化できないため、発言録や行動録が分析データとなります。
▶️ パネル調査とアドホック調査
パネル調査
パネル調査は、ターゲットを固定し、一定期間にわたって定点観察する調査方法です。時間や環境の変化に応じて、ターゲットの意見や意識の変化を調査できます。調査対象と質問が同じであるため、消費者の動向がよくわかるのがメリットです。ただし、半年以上の長期間で実施されるケースが多く、ターゲットが途中で離脱する可能性も考慮する必要があります。
アドホック調査
アドホック調査とは、特定の調査目的のために、その時ごとに実施される単発調査です。 アドホックという言葉は「その場限りの」「特定の目的のための」という意味を持ちます。 そのため、1回限りの調査やオーダーメイドの調査は、アドホック調査に分類されます。
▶️ その他の調査方法
覆面調査
調査員が一般客として店舗を利用し、商品・サービスや接客の質を評価します。商品を注文する段階から商品の到着、実際の利用までといった全行程の調査をする場合もあります。メリットは、課題に合わせて調査項目を設定し、調査レポートをもとに商品・サービスの改善に生かせることです。
テキストマイニング
テキストマイニング(text mining)です。テキストマイニングとは、テキスト(text:文章)とマイニング(mining:採掘)を合わせた造語です。 膨大なテキストの山を分析し、貴重な情報をマイニングする(掘り当てる)という意味でSNSなどの投稿やキャプション、投稿を見た人のコメントなどをチェックして、新たな価値や視点を発見する方法として活用されています。
▶️ リサーチの手法
収集したいデータに応じてリサーチ方法を検討する必要があります。ここでは、自社でも可能なリサーチ方法の種類と特徴について解説していきます。
ネットリサーチ
政府や大学など公的機関が調査・公表している統計データをもとに、ターゲットとなる顧客の属性(年齢・性別・職業など)に合わせて、数値の割り出しや統計データを調査します。デスクリサーチとも呼ばれ、Webサイトや社内にある既存の資料を使ってデータをもとにリサーチすることもできます。調べたいテーマの市場や業界動向を調べる場合に適しており、「調査したいキーワードでネット検索」「Webで既存資料・統計を収集する」などの方法が一般的です。

ホームユーステスト
新製品や改良品を調査対象者の自宅に送付し、一定期間試用してもらい、その感想や評価を取得する調査手法です。実生活に近い状態で試用するため、実生活に即した消費者ニーズを把握することができます。また開発段階で商品ユーザーに意見を求めたり、コンセプトと使用感の合致度の確認、使用シーンの確認など、上市前~上市後の様々なフェーズで活用されています。会場調査では得られない「日常利用に近い視点での評価」を得るための手法です。

訪問調査
訪問調査とは、調査員が調査対象者の自宅を訪問してアンケートを実施する調査手法のことです。訪問調査は、調査員が対象者から直接ヒアリングして調査票を記載する「面接調査」と、調査票を直接手渡しし、後日回収する「留め置き調査」の2つに分かれます。「面接調査」は対象者の自宅でインタビューが併用されるケースが一般的です。

電話調査
電話による市場調査は比較的迅速かつ効率的に多くの人にアクセスできる点が挙げられます。また、質問に対するリアルタイムな回答を得られ、参加者と直接コミュニケーションをとることが可能です。これにより、補足的な質問を追加することや調査プロセスを柔軟に調整することができます。

郵送調査
郵送による市場調査は受取人が自分の都合で回答できるため、柔軟性が高まります。調査への参加に時間をかけやすく、ゆっくりと考えた回答が得られることが特長です。また、郵送は広範な地域にリーチでき、多様な層からの意見を収集することが可能です。

会場調査
会場で市場調査を直接対話が可能な環境であるため、参加者のリアクションや意見をリアルタイムで得ることができます。また、商品やサービスに触れ、実際の体験を通じてフィードバックを収集することができます。その結果、より深い理解や洞察が得られる可能性があります。

Web調査
Web調査、インターネットリサーチ(インターネット調査)、Webアンケート、オンラインサーベイとも呼ばれることがあります。アンケート結果を数値的に分析し、全体の傾向をつかむ、仮説を量的に検証するための定量調査です。

グループインタビュー
2人以上の調査参加者(通常5~8人)を1室に集め、座談会形式でインタビューを行う調査手法です。調査対象者の生の声(定性データ)をダイレクトに収集することができるため、「ネットリサーチ」等の定量調査では把握できない消費者の深層心理を知ることができます。また座談会形式で調査を実施するため、参加者相互の刺激により、参加者とモデレーターが1対1で向き合う個人面接では得ることのできない発言・話し合いの展開を期待できます。

デプスインタビュー
デプスインタビューとは、1対1のインタビュー形式で会話を通して情報を獲得する調査手法です。商品やサービスの利用実態、購入理由、行動の背景などを深く理解することができます。生活者の行動を把握する方法は多くありますが、ターゲットの心理を本当に理解しようとするならば、必ず実施すべき調査手法です。

オンラインインタビュー
インターネット回線を利用したビデオ会議システムを活用して、対象者にインタビューを行うことができる定性調査の手法です。インターネット環境があればどこでも実施することができ、クライアント様、対象者双方にとって、場所と時間の制約が小さいインタビュー手法です。

モニタリング
モニタリングとは、モニタリングは、特定の活動や状況を継続的に監視し、情報を集めるプロセスです。ターゲットにしているメンバーを集まってもらい、製品であれば初見の感想や扱った場合の感想などを観察する方法です。より本音が出やすい環境づくりとして、スタッフは席を外してカメラで観察する方法などがあります。

▶️ リサーチの流れ
アイデアや仮説の考察
マーケティングリサーチを始める前に、問題が発生している課題の仮説を話し合っておく必要があります。売上の減少の要因が、競合店なのか顧客のライフスタイルの変化なのかによって、今後の対策が変わってきます。前者であれば、価格の見直しや売り方を工夫するなどの対応などが検討されますが、後者であれば、商品自体の需要が減少しているので、新商品の開発を検討する必要があるでしょう。このように、リサーチする目的を明確にしておきます。
調査方法と項目の設計
調査する目的が決まったら、定量調査や定性調査、パネル調査やアドホック調査などの方針や項目を確定させていきます。情報収集もネットリサーチからアンケートまで様々な手法があるので、把握したい情報に応じて判断してください。より精度を高めるために、ミックスした方法もオススメです。また、業者に依頼した方がいい範囲について検討してください。業者に依頼する場合は費用もかかりますので、依頼内容についてもしっかりと打ち合わせをしておきましょう。
プレゼン資料の作り方
得られた結果からどのような傾向が推測できるか、実際に得られた回答内容からどのような改善点が浮き彫りになったかなどをまとめていきます。数字だけでなくグラフなどで視覚的に見やすくなるように工夫してください。また、リサーチした内容はもちろん、人数、属性(性別・年齢)、時期、方法などは明記しておきましょう。マーケティングリサーチを通して新たなアイデアをひらめくことが多々あります。
▶️ 外部環境分析の事例
経済的要因 | 景気変動、失業率、金利、為替レート、インフレーションなど。たとえば、経済不況期には消費者支出が減少し、企業の売上が低下することが考えられます。 |
政治的・法的要因 | 政府の政策、法規制、税制変更、貿易制限など。例えば、ある国で新しい環境規制が導入された場合、その国で事業を行う企業は適応するために追加コストを負担することになります。 |
技術的要因 | 新技術の開発、技術革新、ITインフラの整備など。例えば、インターネット技術の進歩はEコマースの発展を促進し、伝統的な小売業に大きな影響を与えました。 |
社会的・文化的要因 | 人口動態、ライフスタイルの変化、教育水準、社会的価値観など。例えば、健康志向の高まりは食品業界において健康食品の需要を増加させました。 |
競争環境 | 競合他社の動向、新規参入者の存在、代替製品の台頭など。例えば、スマートフォン市場では、新しい技術を持つ企業が次々と参入し、競争が激化しています。 |
外部環境の分析は、企業が変化に適応し、持続可能な成長を達成するための鍵となります。