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クリエイティブクリエイター
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🟦 こんな方へオススメ
- 物語を通して商品の魅力を伝えたい
- これまでとは違った切り口でアプローチしたい
- 生産者の苦労や努力を伝えたい
- 商品に対する深い印象を与えたい
🟦 習得内容
- ストーリーマーケティングとは
- 人々が感動するメカニズム
- 感動させるためのポイント
- CMによる事例
ストーリーマーケティングは、製品やブランドを宣伝する際に物語を活用するマーケティング手法です。商品やサービスを単なる機能や特徴だけでなく、感情や体験を通じて伝えることで、顧客との結びつきを深めることが狙いです。物語を通じて語ることで、製品やブランドが顧客の生活や価値観に与える影響を伝えることができます。
レッスン内容
ストーリーマーケティングのメリット
期待できることは多岐にわたります。まず、感情的なつながりを生み出し、視聴者や顧客に深い印象を残すことがあります。これにより、ブランドや製品への好意的な感情が生まれ、顧客の忠誠心が高まる可能性があります。また、ストーリーマーケティングは製品やブランドに物語性を与え、記憶に残りやすくなります。これがブランド認知度の向上に繋がり、競争の激しい市場で際立った存在となることが期待されます。同時に、ストーリーマーケティングは双方向のコミュニケーションを促進し、顧客との関係を深める手段となります。
人々が感動するメカニズム
人が感動する理由は複雑であり、心理学的な側面や生物学的な反応が関与しています。感動はしばしば深い感情や重要な出来事に関連しています。
1)共感とつながり | 感動的な瞬間やストーリーは他者との共感を喚起し、社会的なつながりを生み出すことがあります。 |
2)意外性と期待値の変化 | 予測できない出来事や感動的な展開は、人々が期待するものとの対比で感動を生むことがあります。 |
3)生存に関連する情報の処理 | 感動は進化的な観点からも理解され、重要な情報や教訓を強調することで、個体や社会の存続に寄与する可能性があります。 |
4)美的な要素 | 芸術や美的な体験も感動を引き起こす要因です。美しい景色や芸術作品は感情を刺激し、感動を生み出すことがあります。 |
感動させるためのポイント
これらの要素を組み合わせることで、動画で感動を引き起こすことが可能です。視聴者に心に残る体験を提供することが鍵となります。
1)ストーリーテリング | 強力なストーリーは感動を生み出す鍵です。登場人物や出来事に感情移入できるようなストーリーを構築しましょう。 |
2)キャラクターの深化 | 登場人物に深みを与え、視聴者が共感できるようにします。キャラクターの成長や変化が感動を助長します。 |
3)音楽の選定 | 適切な音楽は感情を強調し、視聴者の心に響きます。感動的な瞬間に合った音楽を選ぶことが大切です。 |
4)ビジュアルの工夫 | 視覚的な要素も重要です。映像や映画技法を駆使して、情緒的な表現を加えましょう。 |
5)意外性と期待値の変化 | 視聴者が予測できない展開や意外性があると感動が増すことがあります。 |
6)共感を呼び起こすテーマ | 視聴者が共感しやすい普遍的なテーマや価値観を扱うことが、感動を生む一因となります。 |
ストーリーテリングとは
ストーリーテリング(storytelling)とは、物語を通じて情報やメッセージを伝える手法です。ストーリーテリングは、昔から人類にとって重要なコミュニケーションツールであり、現代でもビジネスやマーケティング、教育、芸術などの分野で広く活用されています。
ストーリーテリングでは、登場人物や出来事を通じて、聴衆や視聴者に共感や感情移入を促し、情報やメッセージをより深く印象づけることができます。ストーリーテリングを用いることで、情報の伝達が単なるリストアップではなく、聴衆や視聴者が自然と興味を持ち、関心を抱くことができます。
また、ストーリーテリングではストーリーの構成や伝え方に工夫を凝らすことで、聴衆や視聴者に強い印象を与えることができます。例えば、起承転結といった構成や、フックといった興味を引く要素を取り入れることで、より引き込まれるストーリーを制作することができます。
ストーリーテリングは、ビジネスやマーケティングにおいては製品やサービスの説明やブランドイメージの醸成、教育においては授業の内容の定着や理解促進、芸術においては作品の表現力の向上など、様々な目的に活用されます。
注目される理由
ストーリーテリングが重要になってきた背景としては、ITやSNS、NETFLEXなどにより消費者のライフスタイルや情報獲得の流れが大きく変化し、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアによる宣伝が難しくなってきたことがあります。
特にSNSやYouTubeにより、日常的に情報を自分から選択して収集することができるようになったことや、Amazonや楽天のように様々な商品を比較できるサイトが増えたため、自分達のお店や商品が目立ちにくくなっていることも要因として考えられます。
ストーリーにすることで、商品やサービスそのものにフォーカスするのではなく、利用することで得られる体験や感情を伝えることができます。さらに、共感してもらうための印象付けを行うこともできるのです。つまり商品よりも、その商品を使った物語を展開し、企業そのものの認知度を高め、企業に好感度と愛着を持ってもらい消費者の層を増やすという目的があります。
ストーリーマーケティングの事例
子育てで忙しい最中、入院を伴う病気が判明。小さい子供のために休むことができないが、入院を決意。子供を想う母親の感情をストーリーにすることで、残された家族のために保険が大事であることを思わせる作品になっています。価格やサポート内容などには一切触れていません。
父親と息子が歩んできた数年間を描いていく中で納車された車が登場。少し大きくなった父親が少し大きい車で「父の威厳をアピールしたい気持ち」を描いた作品になっています。顧客が描く理想の未来を商品を購入することで叶えることを示唆できます。
仕事ですれ違う夫婦が一緒に映画やドラマが楽しめるサービスを申し込むCMです。ストーリーマーケティングで重要なのは、映し出された内容が芸能人やドラマのような人ごとではなく、自分が投影したり共感できる登場人物がいることです。
東京ガスのCMで家族をテーマにしたCMのダイジェスト版になっています。一つ一つのCMにテーマが設定されており、見終わった後に家族のことを考えてしまうほど身近に感じることが多く散りばめられており、共感されやすい内容になっています。
大学受験の息子と母親との日常生活を描いた短編映像になっています。受験で思うような結果が出せない息子の苛立ちや子供を思う母親の気遣いを映し出しながら、さりげなく日々の過酷な受験の中で栄養補給をする商品を紹介しています。
日本全国の小学校で見かけたことがある児童の様子を紹介しながら、出会う確率をコミカルに描いているCMになります。「昔いたな」と思う懐かしさと共感により、他にはどんなのがあるのか興味が湧き、最後まで見てしまいます。
結婚式で新婦の父親がサックスでお祝いする動画になります。実直な父親が娘のためにサックスの練習をしている日々の努力を映し出すことによって、子を思う親の気持ちが見る人に感動を与える映像になっています。
大学受験前に亡くなってしまった父親が娘の成長を見守るシチュエーションの映像になっています。懐かしい思い出の映像と父親の視線カットによってリアルな演出が施されており、残された家族にとって保険の重要さを伝えています。
海外の事例
タイで制作された感動的なCM。貧乏な家庭で育った子供が万引きをして、近くの男性店主から援助をもらう。30年後の時を経て、男性店主が突然倒れて危篤。高額な医療費に絶望する家族。しかし、手術が終わった後に治療費を見ると支払い済み。治療をしてくれたのは・・・。
道路の交差点で起きる交通事故。衝突する前に時間が止まってしまう。運転手は互いにドアを開けて話をする。直進する男性は猛スピードで走行中であり、右折する男性の後部座席には子供が乗車中。話の結果、間に合わないことに絶望して車に戻った瞬間に時は戻り・・・。
ストーリーマーケティングのポイント
ストーリーマーケティングにおいては、ユーザーを主人公として、そのユーザーの悩みや問題を解決するストーリーを作ることが重要です。ユーザーの立場になって考え、ユーザーが抱える問題や欲求に共感できるストーリーを作りましょう。
ストーリーマーケティングを展開するにあたっては、ブランドや商品に合ったストーリーを作ることが重要です。自社の商品やサービスの特長やメリットをストーリーに盛り込み、商品の魅力を伝えましょう。
ストーリーマーケティングは、顧客の共感を呼び起こすことが求められます。そのため、説得力のあるストーリーを作ることが重要です。ストーリーには感情移入しやすいキャラクターやエピソードを盛り込むことで、顧客の共感を得ることができます。
ストーリーマーケティングは、複数のメディアを活用してストーリーを展開することができます。テキストだけでなく、動画や画像、音楽など、様々なメディアを組み合わせてストーリーを展開しましょう。それぞれのメディアに合わせたストーリーを作成することで、より効果的なストーリーマーケティングが可能です。
ストーリーマーケティングの注意点
多くの企業がストーリーマーケティングを取り入れているため、独自性を追求することが必要です。自社のブランドや商品、サービスにあったストーリーを作成し、他社との差別化を図ることが求められます。
ストーリーマーケティングは、あくまでもマーケティングの手法の一つであり、目的に合わせたストーリーを選択することが大切です。例えば、商品の認知度を高めるためには、製品の開発ストーリーや商品の背景を紹介するストーリーが適しています。
ストーリーマーケティングは、ストーリーを中心に展開するため、ストーリーの伝え方に注意することが必要です。ストーリーの展開に時間をかけすぎたり、逆に簡潔すぎたりすると、顧客の興味を引きづらくなってしまいます。ストーリーの伝え方には工夫が必要です。
ストーリー展開の中でどうしても落ち込むことや辛いことがシナリオとして重要になってきます。その際の演出を過剰にしすぎると差別や誹謗中傷として捉えられる可能性があります。一人の人生の一部を切り取った形になりますが、偏った演出にならないように注意しましょう。
ストーリーのテンプレート
ダメなチームのリーダーになる
スポーツ、仕事、家族など、人々が集まる集団のリーダーになる展開
チーム内で様々な問題が発生する
主人公自身の努力によって成長していく中で、周りの支援やチームメンバーも成長することで、問題を解決していく
順調にチームがまとまったところで超困難な問題が発生し、チームが崩壊。諦めたかけたところで主人公がバラバラになったチームメンバーを鼓舞し、難題を解決。最後まで諦めない気持ちや周りへの感謝の気持ちが感動を呼ぶストーリー。
個性を他の分野で長所にする
短所や長所は環境や状況によって入れ替わることがあります。人前でよく話すことよりも相手の話をよく聴くことなどです。しかし、与えられたミッションや所属するチームによっては、その人の個性がいじめや阻害の対象になることもあります。
チームや組織でコミュニケーションがうまくいかず、居場所を失ったので、退職したりチームを去ったりする。将来への希望を持てず途方に暮れ、生きることも辛く感じる日々を送る。
このままではいけないと奮起して職業であれば転職であったり、結婚や恋愛であれば新た出会いを求めて活動を再開。新たな活躍の場と手に入れる。
今回のチームでは個性が発揮できたため、落ち込んでいた気持ちも回復。挫折と成功を繰り返しながら自信を回復している中で、大きな困難が発生
主人公が成長したことやチームとの団結によって目標を達成していく。自分の能力や個性にコンプレックスを感じるのではなく、自分らしく生きる姿が共感されます。
復讐を誓う
所属するチームや地域で迫害を受けたりいじめを受けたことで居場所を失う。あまりにも理不尽な扱いに復讐を誓う。
努力や苦難を乗り越えて成長していく。
迫害やいじめを受けていた人々の情報が判明してきたので、復讐を実行していく。最終的な原因を突き止めて対決を行い、復讐を果たす
ヒーローズジャーニー
主人公の日常生活。視聴者にも共感できるほどの理不尽な環境。その葛藤から新たな方向へと引っ張られていく。
自分自身の力ではどうすることもできないながらも、環境を変えたいと思っていたある日、外部からのきっかけによって冒険にチャンスを得る。
現在の生活を捨ててまで進む必要性があると感じるも、自信のなさや将来の不透明さから決断ができず、挑戦することを諦める。
誘いを断ったことで自己嫌悪に陥っている中で、事件や事故などが発生。そこで出会うキーパーソンによって内面を見つめ直して冒険へ旅立つ決意をする。
新しい世界へと旅たつ中で、様々な試練に遭遇。騙されたり奪われたりを繰り返しながら、出会った人々や時には動物などを仲間にしていく。
成長を繰り返しながら物語が進んでいく中で、情報を得ることができ、諸悪の根源がだんだんと判明していき、最も危険な場所に行くことを決意する。
修行を行い準備も万端な状態から最大の敵へと立ち向かう。絶体絶命のピンチに陥るが仲間の助けや奇跡によって勝利を収める。
世界が平和を取り戻し、故郷へと帰還。男女であれば結婚したり、友人が出迎えるなどのシチュエーションによってハッピーエンドを迎える。
マーケティングの手順
ストーリーマーケティングとは、商品やサービスをストーリーに基づいて販売するマーケティング手法のことです。商品やサービスに付随するストーリーを作り上げ、それを消費者に伝えることで、商品やサービスに対する興味を引き起こし、顧客の購買意欲を高める流れになります。
皆さんの商品やサービスは、顧客のどのような場面で利用して欲しいでしょうか。困った時、お祝いの時、頑張った時などを想像して書き出してください。
先ほど想像した利用して欲しいシーンの中から今回のシナリオとして使用するものを決定していきます。今回使用しなかった場合でも次回の企画で利用する可能性もあるため、起用しないものもきちんと保存しておきましょう。
登場人物はメインの顧客を想定してください。ストーリーテリングにおいて最も重要なのは、共感されるかどうかになります。登場人物と同じ境遇もあれば、子供や友人に設定した人物像に近い人がいれば、共感されやすくなります。
皆さんの商品やサービスが利用される笑顔になったりやる気になるシチュエーションを考察していきます。
ストーリーのテンプレートを参考にしながら、うまくいかない「暗黒時代」の描写を設定していきます。このシーンが感動値に大きく影響を与える重要なシーンとなります。可哀想、辛そう、などの感情を抱かせことで、「応援したい」と思わせることが重要です。
感動するためには、最後はハッピーエンドになる必要があります。笑顔やガッツポーズなど成功したシーンを見ることで、応援した視聴者も喜びを分かち合う気持ちになるため、涙を流したり感動してくれます。
成功させる3つのポイント
短時間で視聴者に登場人物の状況を理解してもらう必要があります。出勤中であれば社会人ですし自転車で制服であれば学生であることが分かります。日常的な部分を動画に入れることで、登場人物の状況や性格、目標や課題などについて伝えていきましょう。
現在取り組んでいる内容や描写されている姿になるまでに、どんな辛い思い出や苦労したことがあったのかを回想シーンとして差し込みます。そうすることで、笑顔の裏には壮絶な過去を乗り越えてきた証であったり、出された料理の食材には何年もの努力と時間の結晶であることが判明することで、見え方が違ってくるからです。
登場している人物の人生において、皆さんの商品やサービスがどのように貢献しているのかをさりげなく描写することが重要です。
まとめ
自社の商品やサービスを利用している顧客を観察してください。その中で自社の商品やサービスを利用したいきっかけを想像してみましょう。普段の生活の中で起きていることが軸になるので、誰でも想像することができます。動画を通して自分と同じ悩みや問題であると共感してくれれば、興味を持ってくれる可能性はかなり高くなります。